研究課題/領域番号 |
16K10707
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
松本 成司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60412011)
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研究分担者 |
長谷川 誠紀 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10252438)
近藤 展行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50402889) [辞退]
多久和 輝尚 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00412049) [辞退]
土井 啓至 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50529047)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / Stat3 |
研究実績の概要 |
a)細胞内ROS 測定 放射線照射による細胞死は直接DNA が損傷するか、細胞内の水と反応し、ROS (Reactive Oxygen Species) が発生し、それが細胞を損傷する場合のいずれかである。細胞内で産生されるROSをFACS で測定した。BBI-608単剤(10μM) では、放射線照射5Gy照射やアリムタ単剤(10μM)以上に中皮腫細胞内のROS 増加を認めた。また、BBI-608(10μM) に放射線照射(2Gy)併用した場合、放射線照射(2Gy)やBBI-608単剤以上のROSが測定された。放射線照射(5Gy)では放射線照射(2Gy)よりもROS産生は増加したが、BBI-608単剤(10μM)には及ばず、BBI-608(10μM) に放射線照射(5Gy)併用した場合のROS産生の増加は2Gy と同等であった。BBI-608 と放射線治療の相乗効果はこのROS 産生が一因と考えられる。 b)安全性試験(放射線障害モデルの確立) BBI-608のヒトへの投与において、重篤な間質性肺炎の報告は無いものの、実際の放射線との併用においての安全性を確認するために当院放射線科が確立している実験を行った。 マウス(C57BL/6J) に対し 15 Gyの全身照射を施行した。BBI608 投与群では20mg/kg を1日内服させた。放射線照射後3.5日目に安楽死させた。安楽死後は、腸管を摘出し、10%ホルマリンで固定後、大腸陰窩細胞を顕微鏡でカウントした。放射線照射なしの状況下では、BBI608 あり、無しは大腸陰窩細胞の数に有意な差を認めなかった。放射線照射下、BBI608 あり、無しは大腸陰窩細胞の数に有意な差を認めなかった事から、放射線照射とStat3阻害剤(BBI608)併用による大腸の障害は認めず、併用による安全性を確認した。
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