研究課題/領域番号 |
16K10709
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
滝川 知司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (60450227)
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研究分担者 |
山本 哲哉 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30375505)
丸島 愛樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
高野 晋吾 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50292553)
伊藤 嘉朗 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90733014)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 血管保護作用 / TEMPO-RNP |
研究実績の概要 |
Balloon injury直後にRNPを投与し、蛍光免疫染色での検討において、マクロファージのマーカーであるIba-1、炎症誘導に関与するM1マクロファージのマーカーであるiNOSではいずれもRNP群でControlに比較して陽性細胞が減少していた。細胞接着因子であるCD62の血管内皮での発現に関しても、RNP群では抑制された。また、RNP群でControl群に比較してLOX-1発現が低下することが示された。RNPは病変特異的な分布を示したが、そのメカニズムとしてRNPの平均粒子径が30nmであることが関与していると考えられる。血管形成術後病変や動脈硬化性病変には微細な血管内皮損傷が認められており、RNPのサイズ上の特性により微小な細胞外マトリックスの間隙を通って病変に浸透していくことが可能となっていることが予想された。 PCRにおいて、接着因子の亢進、マクロファージの活性化がRNPにより抑制され、更にROSによるNADPH oxidaseからのさらなるROS産生の悪循環が制御されていることが示された。 ラット頚動脈内膜肥厚モデルにおいて、RNPは病変特異的な分布を示したとともに、新生内膜肥厚および血管狭窄を抑制した。その作用メカニズムとして血管壁局所でのROS産生の抑制や抗炎症効果(炎症細胞浸潤抑制、接着因子発現制御)が関与していると考えられた。RNPは血管形成術後病変や動脈硬化性疾患に対して選択的に効果を発揮する薬剤となりうると考えられる。 日本脳神経外科学術総会、日本脳循環代謝学会学術集会のシンポジウムにおいて研究結果を報告した。
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