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2016 年度 実施状況報告書

大脳白質障害に対する再生医療実現のための基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K10710
研究機関東京大学

研究代表者

今井 英明  東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (70359587)

研究分担者 石崎 泰樹  群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90183003)
位高 啓史  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (60292926)
宮脇 哲  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70407914)
小野 秀明  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50771846) [辞退]
齊藤 延人  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60262002)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードラット / 大脳白質梗塞 / 内包 / エンドセリン / 定位脳手術 / 再現性 / ネットワーク / 運動機能
研究実績の概要

ラット内包障害モデルの作成手技を確立した。全身麻酔下にラット大脳白質(内包)へ定位的にエンドセリンを注入し(血管収縮により)選択的な白質梗塞を作成した。試行錯誤実験を繰り返しエンドセリンの注入角度(20→30度)の最適化をおこない再現性のよい選択的大脳白質梗塞の作成手技を論文として報告した(Acta Neurobiol Exp (Wars). 2016;76(3):212-24)。
神経学的所見として運動機能に注目して評価を行った。本動物実験モデルの特徴として、内包の障害だけでは手術後早期に運動機能の低下をきたすが、その後は改善し明らかな左右差が縮小する、すなわち運動機能障害は一時的で軽微なものであると言える。選択的白質病変では、感度の高い運動機能評価法を用いない限り運動機能の障害を検出するのは難しい結果となった。次に、大脳白質(内包)で障害される軸索のもととなる神経細胞体の同定を行った。内包障害部位に逆行性のラベル(Fluoro Gold)を注入し、その分布を傾向顕微鏡で観察した。内包を通過する軸索のもととなる神経細胞体は、いわゆる皮質脊髄路を形成している同側前頭葉大脳皮質だけでなく基底核や視床に広く分布し、扁桃体や脳幹にも分布した。対側の小脳脚や脳幹神経核にも分布した。一方、視床下部、海馬や嗅球には分布しなかった。ラットにおける内包を介してのネットワークの解剖構築に関しての治験を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験モデルは確立できたといえるが、細胞移植に関して提供先との細胞供給に関して調整を行っているため若干実験計画が遅延している。

今後の研究の推進方策

移植細胞にかんして、当初はSB623(成人ヒト骨髄由来神経再生細胞である。健常人骨髄液から採取した細胞にNotch-1の細胞内ドメインをエンコードしたプラスミドを一過性に導入して、加工・培養して作製するものである。一人のdonorから他家由来の細胞医薬品として数千人分が作成される、という細胞医薬品である :サンバイオ社)を予定していたが、諸事情により(すでに当科にて治験でヒトに移植を開始した)供給困難な場合には、他の骨髄由来神経細胞も検討し、移植実験を遂行できるよう努める。

次年度使用額が生じた理由

動物実験に用いるラット数が予定より少なかったため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

動物実験に用いるラットの数が多くなることが予想される。その購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Rat white matter injury model induced by endothelin-1 injection: technical modification and pathological evaluation.2016

    • 著者名/発表者名
      Ono H, Imai H, Miyawaki S, Nakatomi H, Saito N
    • 雑誌名

      Acta Neurobiol Exp (Wars).

      巻: 76 ページ: 212-24

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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