研究課題
10-12 週齢の雄ラットを 1.5%イソフルレン吸入麻酔により全身麻酔をかけ、Pulsinelli の 4 vessel occlusion (Ann Neurol 11, 49 9-509, 1982)の方法に準じて、ラットを腹臥位とする。後頸部を切開し、手術用実態顕微鏡と双極 電気凝固装置を用いて 両側椎骨動 脈を第一頚椎と後頭骨の間で確実に凝固、切断する。その後麻酔から一 旦覚醒させ 2,3 日間を置いたのち二回目の手術を行った。イ ソフルレン吸入麻酔下でラットを背臥位としヒートパ ッドにより体温は 36.5-37.5 度に維持する。頸部正中切開を行い、両側総頸、 内頸、外頸動脈を露出する。外頸 動脈を凝固切断すると、中大脳動脈領域への血流は両側総頸動脈のみとなり、側副血行路は前交通 動脈によ る対側からの血流のみとなる。猪原の論文(J. Neurosci 35:3915–28, 2015)に準じて総頸動脈に様々な口径の アミロ イドコンストリクター(AC:マウスでは内径 0.5 mm を使用、Tokyo Instruments) ないしはマイクロコイル (MC:マウスでは内径 0.18 mm を使用、Samini)を留置する。 本年度はモデルの作成を主に行った。しかしマウスと異なりラットで椎骨動脈を処置した後に両側頚動脈を処置すると80%近い致死率 を呈することがわかった。そこで片側内頸動脈を結紮し、対側内頸動脈のアミロイド今ストリクターを挿入して進行性脳虚血ラットを作成した。アミロイドβ蛋白、タウタンパク、リン酸化タウ蛋白の発現を免疫組織学的に検討しており、リン酸化タウの発現が上昇している所見が得られつつある。
2: おおむね順調に進展している
モデルの作成に難渋したため。
本モデルを用いてアミロイド、タウなど認知症関連蛋白の発現解析を行う予定である。
理由:当初の計画より物品を安価で購入できた為。使用計画:次年度は研究最終年度であるため成果発表の旅費として使用する。
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Journal of Neurology
巻: 265 ページ: 567-577
doi:10.1007/s00415-018-8740-z. Epub 2018 Jan 22. PubMed PMID: 29356971.
Eur Neurol
巻: 78 ページ: 161-168
doi: 10.1159/000479627. Epub 2017 Aug 24. PubMed PMID: 28848099.