研究課題/領域番号 |
16K10714
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
常俊 顕三 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (50569134)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | グリア細胞機能 / 脳虚血 / フルオロ酢酸 |
研究実績の概要 |
一過性中大脳動脈閉塞モデルラットを用いたin vivoでの評価を継続的に行っている。虚血脳の組織学的検討としてのglia細胞の総数、活性化glia細胞の割合、残存neuronの割合、血管床面積の検討を行っている。モデルは安定的に作成することができている。虚血後3日目、7日目となると、梗塞が完成してしまっている。すなわち虚血巣全体がGFAP陽性(活性化glia細胞陽性)となり、残存neuronがかなり少なくなってしまっている。このため、虚血後1日前後から3日目までの、虚血後早期の評価が、glia細胞の活性の程度とneuron生存の程度の評価により重要とかんがえられ、この部分を重点的に検討をすすめることとしている。 PET撮像装置の不具合のため、PET撮像に代わり、[F-18]Fluoroacetateを投与したモデルラットの脳スライスを用いたオートラジオグラフィーによる検討を行うこととし、進めている。GFAPによる活性化gila細胞と同様の分布でFluoroacetateの取り込み上昇像が得られており、十分に評価に値すると考えている。また、Fluoroacetateとacetateそのもののgliaへの取り込み状況の差異を検討する目的で、C-11 acetateによる検討も必要かと考え、追加検討を加えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PET撮像装置の不具合により、当初の予定よりやや遅れているが、代替手段による同様の検討を行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき、vivoでの研究をすすめつつ、vitroの研究を開始する。すなわち、培養グリア細胞のfluoroacetate取り込みに対する、低酸素負荷への応答などを精査していく。この活性化を薬剤やsiRNAによる介入で変化させた場合、vivoでのneuronへの影響などの評価方法をどのようにするか、検討が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新規に購入せずに使用可能であった資材があったこと、ならびにPET装置不具合による使用しなかった額があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定とは別の装置でのPET装置による撮像を予定しており、使用予定である。
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