研究課題/領域番号 |
16K10717
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
榎本 由貴子 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20377659)
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研究分担者 |
岩間 亨 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20303498)
江頭 裕介 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50547677)
山内 圭太 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (10452153) [辞退]
辻本 真範 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (70509554)
澤田 重信 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40610415) [辞退]
宮居 雅文 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (60613502)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 抗血小板剤不応症 / 血小板凝集能 / クロピトグレル / CYP2CI9 |
研究実績の概要 |
急性期脳梗塞患者と慢性期脳梗塞患者における抗血小板薬投与開始後の経時的血小板凝集能抑制効果を比較検討する試験では、すでに急性期脳梗塞患者における血小板凝集能は有意に慢性期脳梗塞に比べて亢進しており、その現象は経時的に改善されることは既に前年度までの検討で明らかとなっており、その関連の強さは代謝酵素の遺伝子多型という定説の因子を凌駕しているが、細胞内情報の解析のために引き続き患者蓄積を継続している。 血小板細胞内情報伝達経路の解析においては、トロンビン刺激で血小板からリリースされるリン酸化HSP27量が急性期脳梗塞群で有意に亢進していたことに着目し研究を進めた。トロンビン刺激による血小板において、低分子量G蛋白の一種であるRacのinhibitor;NSC23766は容量依存的にHSP27のリリースを抑制しており、RacはHSP27放出の調節因子である可能性が示唆された。また、DIC治療薬の一種で抗凝固作用を有するトロンボモデュリンにおいても、トロンボキサン刺激血小板においてHSP27リリースを増強させており、こちらも調節因子の一つである可能性が示された。しかし、いずれにおいても血小板の最大凝集率の有意な抑制効果は得られていない。HSP27は抗酸化作用、抗炎症作用、脳梗塞急性期における脳保護効果など、多くの保護作用が報告されていることからも現在までに得られている研究結果と矛盾しておらず、今後も研究を継続していく。現在までの結果については既に論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳梗塞患者血液を用いた検討は予定通り症例数の蓄積が得られている。 不応症における細胞内情報伝達経路の検討においても、徐々に関連する経路が明らかとなりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
不応症に関与する血小板細胞内情報伝達経路の解明についてのin vitro試験の継続、さらなる検討
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じているが、少額であり、ほぼ予定通りであったと考えている。次年度も予定通りに試薬および血小板凝集能検査に要する消耗品に使用する。
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