研究課題
基盤研究(C)
抗血小板薬を投与しているにもかかわらず十分な効果が発現されない「不応症」は、従来言われている薬物代謝酵素の遺伝子多型の影響よりも、急性期脳梗塞そのものが大きく関与していることが明らかとなった。その機序について血小板細胞内情報伝達経路を検討したところ、血小板からリリースされるリン酸化HSP27産生量の亢進が関与しており、それは低分子量G蛋白の一種であるRacにより調節されていた。血小板とトロンビン,HSP27は脳梗塞急性期という一時的な不応症に関与していることが示唆された。
脳神経外科学
従来、不応症の主な原因は薬剤相互作用や薬物代謝酵素の遺伝子多型とされ、抗血小板薬の変更や追加投与により対処せざるを得ないと考えられていたが、急性期脳梗塞における一時的な不応症においては、血小板におけるトロンビン刺激感受性の亢進、および血小板から放出されるHeat Shock Protein 27の関与が示された。 急性期においては、トロンビン受容体拮抗薬などの併用が臨床的効果をもたらす可能性が示唆された。