研究課題
自己動脈血投与によるラット脳内出血モデルを作成し、幹細胞とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との併用療法が脳組織および神経症状に与える影響を解明することが研究の目的である。当該年度は、脳出血モデルの不安定さに関して、尾動脈からの血液採取から脳内注入までのプロセスの迅速化を行うことで注入する血腫量や麻痺・姿勢異常などの神経徴候も安定させることが出来た。歯髄由来幹細胞の継代培養や表面マーカー解析などは問題なく、我々の研究グループは、脳虚血モデルに対して、歯髄由来幹細胞の経静脈内投与を行うことで、虚血性脳損傷に対する抗炎症作用、抗酸化ストレス作用および血液脳関門保護作用を認め,歯髄由来幹細胞の急性期における脳保護効果は確認することが出来た。更に、栄養因子を強発現させた歯髄由来幹細胞は、治療効果を増強させることを示した。同様に、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との併用療法は有望であると示唆されるため、研究を進めていきたい。
3: やや遅れている
脳出血モデルの安定性がようやく確保された。歯髄由来幹細胞の継代やマーカー解析等は問題ない.
採血から脳内投与までの一連の流れの迅速化を行うことで、安定した脳出血モデルを作成できるようになった。当初の目的を達すべく研究を進めていきたい。ただし、歯髄由来幹細胞に関わる諸費用が高額のため,より安価な薬剤での検討に変更することも考慮せざるを得ない可能性がある.
昨年度は,研究の進捗の遅れもあり,使用額が少額となった.本年度は,PCRや免疫組織科学的検討等の予定があり,使用額が増えると思われる.
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