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2016 年度 実施状況報告書

悪性神経膠腫での非侵襲で繰り返し評価可能なバイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10749
研究機関東北大学

研究代表者

金森 政之  東北大学, 大学病院, 講師 (60420022)

研究分担者 麦倉 俊司  東北大学, 大学病院, 准教授 (20375017)
前川 正充  東北大学, 大学病院, 助教 (70572882)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードGlioma / proton MR spectroscopy
研究実績の概要

脳腫瘍の中で代表的な疾患である神経膠腫の分子診断、治療反応性予測を1H-MRSで予測することを目的に、前方視的にLCModelによる1H-MRSで腫瘍内の代謝産物を測定し、検討を進めている。
現在までに、研究について倫理委員会で承認を得たのち、評価可能病変のある神経膠腫症例25例について説明・同意をいただき、1H-MRSでの治療前後の代謝産物の変化について測定をおこなった。追跡期間が短いため、まとまった解析はまだできていないものの、症例の蓄積、LCModelでの代謝産物の測定は問題なくおこなわれている。また摘出腫瘍組織内の代謝産物を測定し、LCModelでの代謝産物測定の妥当性を検証した。その結果、2HGについては相関が証明された。しかし治療反応性に関与すると予測される代謝産物Aについては両者に相関が認められなかった。腫瘍内の不均一性、In vivoとex vivoでの代謝産物Aの安定性などに起因する違いと考えられた。LCModelによる1H-MRSは術前診断、mass spectrometryについては術中診断への応用が可能であることから、これらの有用性を明らかにすることが必要と考えられた。腫瘍の治療抵抗性がどの測定系で、どの代謝産物で予測できるのかを検討する必要があると考えられた。
平成28年度の検討で測定系はある程度確立された。今後、同様のペースで症例蓄積および経過観察を綿密におこない情報を集積させてゆき、経過観察・治療反応予測に有用なバイオマーカーを同定する予定である。また組織診断に特異的な代謝産物を探索し、組織診断の推定に有用なバイオマーカーを同定し、術中診断への応用を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床で用いているMRIの機種でLCModelでの代謝産物をおこない、安定した結果が得られたことは予定通りであった。しかしLCModelでの代謝産物測定をおこないMass spectrometryにてvalidationをおこなったところ、代謝産物によっては両者の相関がみとめられなかった。これは代謝産物の安定性、組織内の分布の不均一性に起因するものと考えられるが、どちらの測定系が臨床に有用な情報をもたらすのかは今後の検討が必要と考えられた。
また倫理委員会で研究計画の承認をいただき、患者さんに説明・同意をいただき症例の蓄積が得られ、25例の集積が得られたことは予想より多い症例蓄積であった。

今後の研究の推進方策

今後、同様のペースで症例蓄積を進めてゆく予定である。
LCModelとmass spectrometryの代謝産物の測定結果については、代謝産物ごとの検討が必要と考えられた。臨床的に意味がある可能性がある代謝産物に焦点を絞り、LCModelとmass spectrometryでの測定の意味づけをしてゆく予定である。
治療反応性・分子診断に有用なマーカーが同定できた場合に、術中診断への応用が期待される。妥当性・実現可能性に問題がないように共同研究者および病理医師とも連携を取りながら、計画をすすめてゆく。

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公開日: 2018-01-16  

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