研究課題
MR spectroscpopyで定量される代謝産物を用いて神経膠腫での分子診断および早期の治療反応性予測の可能性を検討した。1.最終年度も引き続きMR spectroscpopyでの定量を行った症例を重ね情報の蓄積をおこなった。これと並行して神経膠腫の分子診断についてIDH遺伝子、第1染色体短腕、第19染色体長腕の共欠失、ヒストン遺伝子、BRAF遺伝子の変異について解析した。この中の代謝産物の一つが成人に生じる神経膠腫の分子診断を感度、特異度90%と高い診断率を有することを見出し現在論文報告の準備を進めている。2.診断に有用な代謝産物について脂質に着目し、分子診断ごとのプロファイルを質量分析で解析したが、診断に有用な脂質代謝産物は見出すことができなかった。3.代謝産物のうち、2Hydroxyglutarate(2HG)の定量が10分間で可能となる方法を開発した。この結果は、IDH遺伝子変異の有無を短時間で、高感度、高特異度で診断できるため術中遺伝子診断に応用できる可能性があるもので、Brain Tumor Pathologyに報告した。4. 早期の治療反応性に有用な代謝産物の変化について、同一患者で経時的にMR spectroscpopyでの代謝産物の評価ができた20例について検討した。結果、LCModelで評価可能な代謝産物の中では治療反応性の評価に有用なバイオマーカーは見出すことができなかった。
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Brain Tumor Pathol
巻: 35 ページ: 90-96
10.1007/s10014-018-0317-0.