研究課題/領域番号 |
16K10757
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 文之 広島大学, 病院(医), 講師 (60444692)
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研究分担者 |
杉山 一彦 広島大学, 病院(医), 教授 (30243554)
栗栖 薫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70201473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | glioblastoma / glioma / VEGF / bevacizumab / brain metastases / malignant lymphoma / hemangioblastoma / cystic malacia |
研究実績の概要 |
RadiogenomicsによるVEGF阻害剤の感受性を検討するため、gliomaの遺伝子に着目し検討した。そして、genomeの検討ではIDH1、PTEN、p53、EGFR、ATRXを免疫染色、1p19qをFISHにて検討し、多中心性 gliomaではIDH1遺伝子変異が認められないことを明らかにした (Karlowee V, Yamasaki F, et al. Pathobiology 2017)。また、Radiomicsによるglioblastomaの画像分類として、glioblastoma周囲の拡散強調画像での強い高信号所見が約1/4の症例に出現することを見出し、この画像所見は高いb値の拡散強調画像の検討を行った場合、転移性脳腫瘍や悪性リンパ腫では認められないことを明らかにした (Kolakshyapati M, Yamasaki F, et al. J Neurosurg 2017)。さらに、Radiomicsの一貫として他の脳腫瘍の画像の特徴を検討し、後頭蓋窩腫瘍における鑑別診断に高いb値の拡散強調画像から得られるapparent diffusion coefficient (ADC = 拡散係数) 値を求めた場合、小脳血管芽腫のADC値は転移性脳腫瘍のADC値よりも有意に低値であることを証明した (Onishi S, Yamasaki F, et al. World Neurosurg. 2017)。他に、悪性脳腫瘍の放射線治療後の画像変化としての cystic malacia の発生を検討し、三次元原体照射の技術発達以後は cystic malacia の発生頻度は明らかに減少していること、4.5歳以下と大脳発生腫瘍への照射がリスク因子であること、海綿状血管腫や白質変性症と cystic malacia は無関係に発生することを証明した (Yamasaki F, et al. Childs Nerv Syst 2017)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
WHO 2016 脳腫瘍分類 update に基づいた Radiogenoics の検討を行い、genome のデータを順調に収集している。また、Radiomics の検討を継続しており、拡散強調画像とhistogram analysisによるデータ収集を継続して行っている。そして、glioblastomaのRadiomics分類を論文成果として報告しており、経過は順調であると判断する。また、これまでの radiogenomicsのデータ収集により、論文業績を複数報告しており、順調な研究進展と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
Glioblastomaのradiomicsによる分類のためのデータ収集を継続する。他の脳腫瘍のradiomicsのデータ収集も継続する。WHO 2016 脳腫瘍分類 updateに基づいたradiomicsのデータ収集を継続する。VEGF阻害剤の投与後の反応とradiogenomicsのデータから感受性予測法の確立を目指す。Bevacizumab、sunitinib、sorafenib、pazopanib、axitinibなどのVEGF阻害剤投与時の副作用データの収集を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
RadiogenomicsのためのIDH解析をhigh resolution melting (HRM) analysis により行う予定で、そのための試薬購入のための金額として、不足していたため。
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次年度使用額の使用計画 |
HRM analysisの試薬購入を次年度の予算と合算して行う予定である。
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