研究課題/領域番号 |
16K10781
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
阿久津 博義 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20547955)
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研究分担者 |
岡 潔 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 量子生命科学研究部, 上席研究員(定常) (80354661)
山本 哲哉 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30375505)
鶴淵 隆夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70778901)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レーザー内視鏡 / 光線力学療法 / 悪性脳腫瘍 / 低侵襲治療 |
研究実績の概要 |
動物実験系において新型「低侵襲レーザー治療器」を用いた照射実験を行った。全身麻酔下にラット大腿動静脈・腸間膜動脈を露出し、本実験で新たに使用している半導体レーザー(波長:980nm)照射止血実験を行い、至適レーザー出力、照射時間、照射距離の最適化を行っている。レーザーの照射条件の最適化に関してはさらなる照射条件設定の変更を行い、同様の実験を行い、照射条件最適化のデータを集積していく必要がある。 また、ラット脳腫瘍モデルを用いた定位的光線力学療法実験の準備として、ラット脳腫瘍モデルの作成を行った。現在ある程度的確に脳腫瘍をラット大脳に播種させることが可能になった。また、レザフィリン静脈内投与により脳腫瘍内への光感受性物質の移行も確認できている。 工学系部門において、半導体レーザー照射装置の最適化をさらに進めた。また、広範囲均質照射を可能にする、同心円状照射用のファイバー先端形状加工を施したファイバに関しては、随時ミーティングを重ねながら最適なファイバについて設計段階ではあるが、細径かつ同心円状照射をできるようなファイバーを作成する事は技術的にはかなり困難であり、実際のファイバ作成には着手できていない。 低侵襲内視鏡治療全体のテーマに関しては、引き続き当科の注目度は全国的に高く、昨年に引き続き、国内外での学会論文発表・教科書執筆・招待講演・セミナー講師等を行い、国内外での業績をさらに増やした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
広範囲均質照射を行うためのファイバ先端加工およびレーザー照射機器の調整が未完了である。また、ラット脳腫瘍モデルは確立し、レザフィリンの腫瘍細胞内移行も確認できているものの、定位的レーザー照射モデルの確立が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
工学系部門におけるレーザー照射装置の調整および、広範囲均質照射ファイバの作成を早急に進める。 定位的照射モデルの確立に向けてどのように照射を行えばよいか、検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
作成購入予定だった専用複合型光ファイバスコープに関して、材料の値上がりなどにより作成業者と価格交渉の折り合いが合わず、作成ができなかった。 今後再度価格交渉を行い、作成依頼を行う予定である。
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