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2018 年度 実施状況報告書

治療抵抗性高血圧症に対する頭側延髄腹外側野の微小血管減圧術-確実な診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10789
研究機関熊本大学

研究代表者

浜崎 禎  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60433033)

研究分担者 山田 和慶  熊本大学, 医学部附属病院, 特任教授 (00398215)
藤原 幸一  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10642514)
長谷川 雄  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (40599114)
山川 俊貴  熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (60510419)
中川 隆志  熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80773358) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードheart rate variability / intraoperative / neurosurgery / monitoring
研究実績の概要

本研究では、脳神経外科手術中の循環変動と手術操作の関連性を解析するシステムを構築して運用し、これまでに合計41の手術よりデータの収集を行った。
<解析1>手術操作-自律神経活動の変化-循環変動の関連性の解析
循環作動薬の投与なく、吸入あるいは経静脈的麻酔薬の投与量の変更がなく、5分間で収縮期血圧が20mmHg以上変動した区間をsystemic circulation event(SCE)と定義し、全手術の麻酔表をreviewしたところ、47のSCEが同定された。SCEで起こった循環変動と自律神経活動の関連性を調べる目的で、同時に記録された心電図モニタよりheart rate variability(HRV)周波数領域指標のLF(低周波帯域; 交感神経および副交感神経活動の指標)、HF(高周波帯域; 副交感神経活動の指標)、LF/HF(副交感神経に対する交感神経活動の指標)の3つのパラメータを解析している。また、SCEで行われた手術操作に関して、同時に記録された手術VTRを解析している。
<解析2>脳幹表面の持続電気刺激が自律神経活動にもたらす影響の解析
聴神経腫瘍の摘出術における顔面神経モニタリングでは、顔面神経のroot exit zone(REZ)に電極を設置し、持続的電気刺激(facial nerve root evoked muscle action potential: FREMAP)を行う。顔面神経REZは橋の最尾側部で、延髄吻側に存在する交感神経中枢rostral ventro-lateral medulla(RVLM)のごく近傍に位置していることにより、REZの単極電気刺激がRVLMの神経活動に影響を及ぼしている可能性が考えられる。本研究の術中データでは12か所にFREMAP区間が同定された。この区間でHRV指標および循環変動の解析が進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

術中HRV顕微鏡動画同時記録システムを構築して運用し、当初目標とした手術数を超えるデータが記録され、実施概要の項目で記載した通り、詳細な解析が進行中である。生化学実験の対象となる髄液は目標とする数が採取された。しかし、当初予定した研究期間である3年が経過したが成果の総括には至っておらず、1年間の研究期間延長を申請した。

今後の研究の推進方策

平成31年度(令和元年度)は、これまでに記録された術中HRV顕微鏡動画同時記録の解析と蓄積された髄液のプロテオミクス解析を行う。治療抵抗性神経原生高血圧症に対する外科的治療の将来的な確立を目標とし、実施概要に記載した解析結果から、自律神経活動性をコントロールし得る「交感神経スポット」の解剖学的位置を推定する。
本年度の最後に結果を総括して、論文および学会の演題として発表する。

次年度使用額が生じた理由

術中HRV顕微鏡画像同時記録システムを用いて蓄積されたデータの解析には、研究計画に記載した通り、(スタンドアロンの)デスクトップコンピュータの購入が必要である。
また、プロテオミクス解析に使用する試薬と備品を購入する。

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公開日: 2019-12-27  

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