研究課題/領域番号 |
16K10795
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
江夏 怜 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70749960)
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研究分担者 |
三國 信啓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60314217)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 皮質-皮質間誘発電位 / 電気刺激 / てんかんネットワーク |
研究実績の概要 |
てんかん発作は大脳灰白質の神経細胞の突発性過剰放電に由来するが、ここで発生した異常放電は、脳内のネットワークを介して伝播し、様々な発作症候を出現させることとなる。脳内は皮質、皮質下繊維を介した複雑なネットワークを形成しており、てんかん発作波の伝播には、生理的なネットワークのほかに、てんかん原性によって形成された異常なネットワークも含むと考えられているため、より病態の解明を困難なものとしている。本研究では、発作焦点を刺激することで得られる特異的な所見、もしくは、発作波の伝播に関わるネットワークの検索を行うことを目的として発作焦点の皮質刺激を行いながら、皮質‐皮質間誘発電位記録を行った。現在のところ、14症例につき記録を行い、誘発電位の振幅と発作の伝播時間に逆相関の関係があること、発作間欠期棘波が、発作焦点からのネットワークに一致して出現することを示し、学会発表を行った。今後、定位的深部脳波の導入を準備しており、脳深部のネットワークについても解明を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
14症例につき、発作焦点の皮質刺激を行いながら皮質‐皮質間誘発電位記録を行っており、そのうち、10症例において、術後、1年以上が経過して、発作の消失が確認できている。予定症例の20例を集めてから論文化する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ、硬膜下電極を用いた脳表に限られた評価であり、脳の深部までは評価できていない。今後は、深部も含めた空間的な広がりを見る上では、定位的深部脳波の導入も検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
初期に導入を予定していたデータ解析用ソフトに適切なものがなく、導入を控えたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
定位的深部電極導入のための費用に充てる予定である。
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