| 研究課題/領域番号 |
16K10807
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
小圷 知明 東北大学, 大学病院, 助教 (90534173)
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| 研究分担者 |
久志本 成樹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50195434)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | バイオマーカー / 合併症 / 早期診断 / 感染症 / 動態 / プレセプシン / 脊椎 / 手術 |
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| 研究実績の概要 |
１新しい敗血症診断マーカーであるプレセプシン（presepsin: PSEP）の周術期動態：術後感染のなかった115例のPSEP中央値（四分位範囲）は、術前126（98-155）、術直後171（125-269）、術翌日194（148-259）、術後1週147（115-182）pg/dLであった。Kruskal-Wallis検定（post hoc test: Dunn検定による群間比較）の結果、術前と比べ術直後・術翌日で有意に上昇し（p＜0.01）、術後1週で術前レベルに低下した。術後感染を生じた3例の術後1週PSEP値は高値（642, 1030, 317 pg/mL）を示した。術後感染のなかった115例の95パーセンタイル値は、術前229、術直後620、術翌日396、術後1週297 pg/mLであった。PSEPは感染を伴わない手術侵襲により変動し細菌感染に特異的なマーカーとは言えないこと、術後1週におけるPSEP cut-off値300 pg/mLは術後感染診断に有用な指標となり得ることが明らかになった。以上の成果を国内学会で発表し、英語論文を投稿中である。
２mitochondrial DNA（mtDNA）をはじめとするダメージ関連分子パターン（alarmins）の周術期動態：術後感染症を生じなかった104例におけるmtDNAの中央値（四分位範囲）は、術前0.09（0.03-0.21）μg/mL、術直後0.21（0.05-0.54）μg/mL、術翌日0.14（0.04-0.34）μg/mL、術後1週0.13（0.03-0.35）μg/mLであった。Kruskal-Wallis検定（post hoc test: Dunn検定による群間比較）の結果、術前と比べ術直後のみが有意に高値を示し（p＜0.01）、術翌日には術前レベルに減少した。以上の成果を国内学会で発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
１新しい敗血症診断マーカーであるプレセプシン（presepsin: PSEP）と従来の感染症診断マーカーの周術期動態について：整形外科定期手術症例については全例欠測なくデータを蓄積出来ている。PSEPの周術期動態、従来のマーカーとの違い、術後感染症診断における有用性に関して知見が得られ、複数の国内学会で公表し、英語論文一編を作成した（投稿中）。
２mitochondrial DNA（mtDNA）をはじめとするダメージ関連分子パターン（alarmins）の周術期動態について：整形外科定期手術症例については全例欠測なくデータを蓄積出来ている。mtDNAは従来の重症外傷例における報告と同じく、手術侵襲によって術前と比べ術直後に有意に上昇、術翌日には術前レベルまで低下することが明らかになった。以上の成果を国内学会で公表した。一方で重症外傷例、重症敗血症例におけるデータ収集が予定症例数（年間各50例）に達せず、まだ各群間での比較を行えていない。
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| 今後の研究の推進方策 |
１新しい敗血症診断マーカーであるプレセプシン（presepsin: PSEP）と従来の感染症診断マーカーの周術期動態について：引き続き症例を蓄積し、PSEPの手術侵襲による上昇は従来のマーカーと比べ早期に正常化すること、術後感染症診断に有用なマーカーであることを検証する予定である。
２mitochondrial DNA（mtDNA）をはじめとするダメージ関連分子パターン（alarmins）の周術期動態について：引き続き症例を蓄積し、手術侵襲・重症外傷・重症敗血症におけるalarminsの動態を解析予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
論文作成時に用いる医学辞書を直接経費で購入予定であったが間接経費から支出すべきと判断されたため残額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
実験消耗品購入費に用いる予定。
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| 備考 |
2016年度分未掲載です。
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