1)MRI T2 mapping法による椎間関節軟骨の経年的変化に関する研究は、すでに終了し(結果の詳細については2016年度の実施状況報告書で報告済み)、その結果を論文にまとめてJournal of Orthopaedic Scienceに収載された。 2)MRI T2 mapping法による椎間関節軟骨の腰痛との相関に関する研究は、鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を得て開始している。目標組み入れ数は60例を計画しているが、2020年3月31日現在、実施例数は53例である。今後症例を増やして解析し学会発表および論文投稿する予定である。 3)椎間関節の関節液の生化学的解析と椎間関節性腰痛との相関に関する研究は、サイトカインの計測に必要な量を採取できる症例はかなり少ないことが判明したため、「椎間関節の変性に関わるmicroRNAの解析」の研究に変更した。倫理委員会の承認を受けた後に対象患者のサンプル採取を開始した。椎間関節の関節症性変化が強いと軟骨採取が困難であることが多く、多くの症例で関節包のみの採取となった。2018年9月26日に行った予備実験の結果、6サンプルすべてからmicroRNAを抽出することができた。先行研究で関節との関連が報告されているmicroRNA(has-miR-146a、has-miR-181a、has-miR-23a)のPCRを行い、6サンプル全てでこの3種類のmicroRNAが検出できた。網羅的解析のために8症例16サンプルのNext generation sequencing(NGS)を外部機関に委託して実施した結果、変形性関節症のGradeにより発現に差があるmicroRNAを解析した。2020年4月末までに48例のサンプルが採取できている。今後は追加解析を行い、その結果を学会で発表して論文投稿する予定である。
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