研究分担者 |
西良 浩一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10304528)
高田 洋一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任准教授 (20420549)
東野 恒作 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (80380129)
手束 文威 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40782470)
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研究実績の概要 |
過去の研究結果から,分離症発生メカニズムに関しては,椎弓への血流支配を含めた骨形成に関わるなんらかの先天的要因(遺伝的要因)に,繰り返すストレス(疲労骨折)が加わり発生するものと考えている.我々は更なる病態解明のため腰椎椎弓への血流支配に注目し,分離症の好発高位である第5腰椎の後方要素(椎弓)への動脈分布が,一般人において主に4つのvariationがみられることを報告した(Tezuka F, et al. Eur Spine J, 2016).またそれらのうち分離症が有意に多くみられる血管分布のパターンも同定した(Tezuka F, et al. J Med Invest, 2020).本研究においては,これらの所見が分離症発生前に捉えることができれば,発生予防にも繋がると考え,実際の患者に超音波検査を用いることにより,まずは脊椎周辺の血流評価の可能性について検討した(第29回日本整形外科超音波学会)が,この解析方法では血管の描出にlimitationを感じた.そこで解析の対象を変更し,初期の分離症患者におけるMRIで,90%以上の症例で椎弓背側の軟部組織に何らかの輝度変化がみられることを見出し(第48回日本脊椎脊髄病学会学術集会ほか),これをターゲットとして解析を開始している(第93回日本整形外科学術総会ほかで発表予定).本研究で有意な所見が得られれば、ポータブル超音波機器を使用して、スポーツ競技の現場で使用することにより、分離症発生リスクの高い子供をスクリーニングしたいと考えている.
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