研究実績の概要 |
骨粗鬆症薬である抗RANKL抗体とBMPの相互効果と安全性を検討するためにラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルを確立した。また、これらの試薬との親和性の高いマテリアルを検討するために様々なマテリアルと様々な濃度を検討した。その後に動物実験を施行した。ラット脊椎固定モデルはラットの背部を約4cm切開し傍脊柱筋を筋膜から切開しL4, L5の脊椎横突起を展開した後、横突起間にマテリアルを置いた。ラット大腿骨骨折モデルはラットの大腿外側部を約4cm切開し大腿外側広筋を筋膜から切開し大腿骨を展開した後にボーンソーにて骨折させ、それをK-wireにて骨接合し、骨接合部にマテリアルを置いた。マテリアルを移植し6週間後にラットをsacrificeし移植した脊椎や大腿骨を摘出した。徒手骨癒合試験後に、X線撮影し、H.E染色による病理組織標本を作製した。また、マイクロCT検査やバイオメカニカルテストを施行した。レントゲン像から骨癒合の判定の有無と、さらに病理組織標本から組織学的骨融合評価、架橋形成、骨陵の大きさ、細胞浸潤の程度など検討した。また、抗RANKL抗体以外もBMPの相互効果と安全性を検討するため、様々な試薬の検討をラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルにて行った。その結果、当大学で開発したカーボンナノファイバーを適切な容量で拡散させた担体を用いるとBMPによる骨癒合が上昇することがラット脊椎固定モデルで証明された。また、副甲状腺ホルモンの間欠投与でBMPによる骨癒合能が上昇することがラット大腿骨骨折モデルにて判明した。
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