研究課題
腰椎手術治療戦略において神経障害高位を正確に評価することは重要であるが、画像上多椎間に神経圧迫がある場合の責任高位を評価することは未だ完全ではない。長期にわたり解決不可能であった腰部脊柱管狭窄症の真の責任高位診断を実現することが必要である。本研究の最終目標は、これを解決するために、電気生理学的機能診断の経験と新しいレンズ開発技術を融合させることにより電極付硬膜外内視鏡を開発作成することである。今年度も引き続き①電極付硬膜外内視鏡の開発②脊椎手術大規模データベースの作成の2本柱を研究計画として打ち立てた。①に関して内視鏡の開発は遅れている。今回の開発には内視鏡径が細くかつ画像が鮮明である必要があり、スカラ社が開発したGIレンズ(ポリマー樹脂を細長く伸ばしてレンズ機能をもたせたもの)が不可欠と考えている。まず、このGIレンズを口腔内の吸引管に埋め込むことに成功し、ポータブル端末画面で口腔内を確認しながら吸引を正確に行うことが可能となった。現時点で製品化・販売が完成しておらず,本研究の電極付硬膜外内視鏡の商品開発に着手できておらず、進捗状況は遅れている。高位診断に関する方法ならびに新規診断方法の承認・製品化に関する情報を得るために各学会への参加を積極的に行った。②データベースの作成は進んでいる。問診調査、自覚症状(VAS)、腰痛治療判定基準(JOAスコア)、SF-36、QOL、身体計測値、手術高位・方法・成績などの入力を継続しており、このDATAベースから術後成績不良因子などが判明すれば最終目的である真の責任高位診断の一助になると考えている。同様に神経障害高位診断に必要と考えるあらゆる検査法や診断法を検証することが、本研究の成功につながると考えられることから、積極的に各種学術集会に参加し論文を入手して情報収集に努めた。現在このデータベースを使用して学会報告に着手しはじめている。
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Orthopaedics
巻: 32(2) ページ: 1-8