研究実績の概要 |
GLP-1受容体作動薬の有効性とERストレスへの影響の検討. 【方法】10週齢雌SDラットでIH-Impactorを用いて200kdyn胸髄圧挫損傷モデルを作成し,脊髄損傷のみのコントロール群,損傷直後と7日後にエキセナチド10μgを皮下注射したエキセナチド群,そして椎弓切除のみのSham群を比較検討した.脊髄損傷前後と隔日での血糖値を測定し,後肢機能評価をBBBスコアで行った.損傷後3, 7, 14日に脊髄を摘出し,Western blot,免疫染色で小胞体ストレス関連蛋白の発現を比較し, OPCの細胞数を調査した.【結果】エキセナチド投与群はDay 7以降,コントロール群と比較し有意にBBBスコアの改善を認めた(p<0.01).低血糖は発生せず,3群間で血糖値に有意差はなかった. Western blotではDay3でGRP78発現量が有意に増加し,Day 14でCHOP発現量が有意に減少し,免疫染色で同様の結果が得られた(p<0.01).OPC細胞数はDay14においてエキセナチド投与群で有意に高かった. GLP-1受容体作動薬のマクロファージ極性への作用の検討.【方法】損傷後1,3,7,14日に脊髄を摘出し、Mφ(Iba1)・M1 phenotype(iNOS)・M2 phenotype(Arginase1)を用いた二重染色を行った.【結果】iNOS陽性細胞は両群とも14日にかけて経時的に増加していく傾向にあった.両群間に有意差はないものの、Ex群でやや増加が小さかった. Arginase1陽性細胞はEx群で3,7日に有意に増加しており(p<0.05)、14日では減少傾向にあったが、C群と比較すると細胞数はやや多い結果となった.
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