研究課題/領域番号 |
16K10842
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研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
小牧 裕司 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 室長代理 (10548499)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 安静時機能的MRI / MRI / BOLD / 脊髄損傷 / rs-fMRI |
研究実績の概要 |
本研究は、脊髄損傷に対する再生治療の実現化を視野に、治療の障害となっている感覚異常と運動機能の客観的評価法を確立し、病態に関する脳内メカニズムおよびその治療効果をマウスの脊髄損傷実験を通じて明らかにすることを目的とする。具体的に、次世代型機能的MRIを用いて運動および感覚機能ネットワークの機能再構築・代償の過程を可視化する。さらに、この脳機能ネットワークの可逆的・非可逆的な変性時期を各種治療法による介入によって明らかとすることを目指す。 平成29年度は、初年度により確立された評価系を用いて、運動・感覚機能障害である脊髄損傷モデルマウスの縦断解析を行った。さらに、行動学的指標、および組織学的指標を併せて計測することでMRIによる評価の正当性を検証した。結果として、運動関連領域のネットワークの結合性が低下し、痛み関連領域(一次感覚野と前帯状回皮質、被殻・尾状核)の結合性が慢性期に上昇していることがわかった。安静時機能的MRIを用いることで、脊髄損傷後 脳に生じる機能的な変化を観察することが可能となった。本内容について、国際誌に論文投稿中である。 本研究により、運動・感覚機能に関する機能回路の再構築・代償の過程を安静時機能的MRIを用いて非侵襲的に可視化できた可能性がある。本手法は、ヒトの臨床試験にも速やかに展開可能であるため、今後、再生医療や新規開発される治療法の評価に役立てていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、初年度により確立された評価系を用いて、運動・感覚機能障害である脊髄損傷モデルマウスの縦断解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究成果について、積極的に学会、論文などに成果報告を行う。 さらに、安静時機能的MRIのコントラストの元となるBOLDは神経-血管応答を観察しているものであり、必ずしも神経活動と一致しているとは言えないという問題点がある。 神経活動を正確に捉えるためにも、計測手法の改良にも今後取り組む必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度の成果報告として国内学会に出席する予定であったが、他用務と日程が重なってしまったため欠席し、旅費に残額が生じた。このため、平成30年度に繰り越して成果報告を行う予定である。
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