実験1. 日本白色家兎を用いて内側半月板の内側2/3に3mm縦断裂を作製した。左膝を多血小板血漿(以下、PRP)群とした。断裂部をnylon糸1針で縫合し、PRPをCaCl2で活性化したのちに、液体状態で縫合部に塗布させたもの(Liquid群)、ゲル状態で縫合部直上に留置したもの(Gel群)で分けた。Liquid群4羽、Gel群4羽を12週で屠殺し、肉眼的および組織学的評価を行った。肉眼的評価はmodified Miguel’s scoring systemを用い、Liquid群、Gel群で差はなかった。組織評価はIshida’s scoring systemで行い、修復は両群とも得られなかった。過去の動物実験での半月板損傷モデルから、パンチ欠損モデルに変更して検討することとした。
実験2. 日本白色家兎の内側半月板無血流野にφ1.5mmのパンチ欠損を作製した。右膝は欠損群、左膝はPRP群とした。PRP 1mlをCaCl2で活性化してclot化し欠損部に充填した。4、8、12週後に組織を採取し、肉眼的評価(半月板;modified Miguel’s scoring system、関節軟骨;墨汁によるGrading scale)と組織学的評価(半月板;HE染色、Safranin-O fast green染色:Ishida’s scoring system、関節軟骨;Safranin-O fast green染色:OARSI scoring system)を行った。また定量的評価として、半月板横断面の欠損部と修復部の面積をImage J で計算し、Safranin-Oで染色される部位の面積との割合を算出した。
現在結果を解析しているが、今年度中に解析が完了できなかったため、結果は次年度中に論文誌上での公表を見込んでいる。
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