研究課題
1)ペリサイトの単離・培養方法の確立と不死化ペリサイト株の樹立:マウス胎児からフローサイトメトリーを用いてペリサイトを単離し、培養する方法を確立した。また、初代培養ペリサイトにSV40 large T antigenを導入し、不死化ペリサイト株の樹立にも成功した。2)In vitroにおけるペリサイトの多分化能の検証:樹立した不死化ペリサイト株を骨分化誘導培地にて培養したところ、ALP活性は著しく上昇し、石灰化能も亢進した。また、この細胞株は、脂肪分化能および軟骨分化能を有していることも明らかとなった。3)生体におけるペリサイトの多分化能の検証:ペリサイト由来細胞をtdTomatoで標識できるマウスを作出した。このマウスの各組織の凍結切片を作成し、各組織におけるtdTomato陽性細胞の分布を解析した結果、一部の骨芽細胞、骨細胞、筋細胞はtdTomatoを発現しており、これらのtdTomato陽性細胞はペリサイト由来であることが示唆された。4)In vitroでのペリサイトへの発癌誘導:1)と同様の方法にてp53欠損マウスからp53欠損ペリサイトを単離し、p53欠損不死化ペリサイト株を樹立した。また、この細胞株の分化能、増殖能、腫瘍形成能を検討した。5)ペリサイト特異的発癌変異誘導マウスの作成と解析:当該年度はペリサイト特異的pRb欠損マウスに形成された腫瘍の解析を行った。しかしながら、この遺伝子改変マウスにおいて、骨軟部肉腫の形成は認められなかった。6)ペリサイトの悪性化を誘導するシグナル伝達経路の同定:これまでに同定した肉腫発症に関与する複数のシグナリング経路の中から特に重要な経路を明らかにし、その経路の活性化もしくは不活化が肉腫の発症や増殖に与える影響を、in vitroおよびxenograftモデルを用いて検討した。
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