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2016 年度 実施状況報告書

神経筋接合部保持が神経機能再生にもたらす効果とその利用法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K10853
研究機関名古屋大学

研究代表者

大西 哲朗  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70759927)

研究分担者 建部 将広  名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60420379)
栗本 秀  名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (70597856)
平田 仁  名古屋大学, 予防早期医療創成センター, 教授 (80173243)
山本 美知郎  名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (90528829)
岩月 克之  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90635567)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアセチルコリンレセプター / アグリン
研究実績の概要

mouseモデルの再検討を行なった結果、以前使用していたmouseモデルは薬剤の到達部位がmouseの足底筋、ヒラメ筋に安定的に供給されない場合があることが判明したため、mouseモデル(mini-osmotic pump(ALZET, Cupertino, CA)とcatheterをmouseの後肢に薬液が到達するように移植)の改良を行った。具体的には、catheterの位置をmouseの右後肢筋膜直下から、ヒラメ筋と足底筋間に変更した。そして0.1%evans blueをosmotic pumpに充填したものをmouseに移植し、目的の筋肉に安定的に色素の沈着が起きることを経時的に確認した。薬液の安定的な供給はこの実験において極めて重要であるため、慎重に改良と評価を行なった。次に坐骨神経切断処理後の神経筋接合部退行消失の経過と脱神経後の変化を前脛骨筋の筋湿重量と筋横断面積で評価し切断後8週目まで調査し、モデルの基礎データの収集を行なった。
改良したpumpモデルを用いて、マウスの右下腿筋肉に生理食塩水とAgrinの局所投与を行なった。生理食塩水、Agrin(100ug/8w)の局所投与にて下腿組織の組織損傷や、炎症惹起、感染、疼痛などの副作用の評価を行なった。
術後早期は炎症細胞浸潤を認めたが、その後は持続する炎症や、感染率の違いなどは認めなかった。同モデルにおいてagrin(100ug/8week)と生理食塩水の持続投与を8週間行い(n = 6 : 各群)、AChRを免疫組織学的に評価し、AChR areaがagrin投与群で有意に大きな値を示すことが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

以前使用していたmouseモデルは薬剤の到達部位がmouseの足底筋、ヒラメ筋に安定的に供給されない場合があることが判明したため、mouseモデルの再検討と改良を行った。そのためアグリン投与の実験の開始が遅れた。移植や薬剤投与による炎症惹起、感染などの副作用の検討を先に優先して行ったため、agrinの指摘投与量などの評価が遅れている。

今後の研究の推進方策

改良したポンプモデルを用いてagrinの指摘投与量の評価を免疫組織学的にアセチルコリンレセプター(AChR)を蛍光免疫染色し、AChR pixel density, AChR areaを評価して行う。脱神経後の変化は前脛骨筋の筋湿重量と筋横断面積で評価し脱神経後2週目、4週目、8週目と筋湿重量と筋横断面積の経時的な減少を確認する。その後、agrinと生理食塩水の持続投与を2週間、4週間、8週間行い(n = 6 : 各群)、AChRを免疫組織学的に評価し、agrin投与による神経筋接合部への影響を詳細に検討する。また今後、同様のモデルを用いAgrin投与後の遺伝子発現変化を評価するためrapsyn, AChR alpha1 subunitのmRNAレベルなどを評価しメカニズムの解明を行なっていく。

次年度使用額が生じた理由

実験計画の若干の遅れがあり、試薬のagrinの購入量が計画より少なかったため。

次年度使用額の使用計画

来年度に、本年度分の遅れの部分の研究を行う予定のため、追加試薬の購入を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Agrinの不足により神経損傷後の神経筋接合部の変性が助長される。2016

    • 著者名/発表者名
      大西 哲朗 栗本 秀 平田 仁 Ranjan Gupta
    • 学会等名
      第59回 日本手の外科学会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県、広島市)
    • 年月日
      2016-04-21 – 2016-04-22

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公開日: 2018-01-16  

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