研究課題/領域番号 |
16K10859
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
美舩 泰 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80608464)
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研究分担者 |
国分 毅 神戸大学, 医学研究科, 助教 (40403266)
乾 淳幸 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (70457092)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 終末糖化産物 / アポシニン / 活性酸素 / 肩腱板断裂 |
研究実績の概要 |
近年、加齢性変性の原因物質として終末糖化産物(AGEs)が注目されている。AGEsは特異的受容体であるRAGEと結合してNADPHオキシダーゼ(NOX)を活性化し、活性酸素種(ROS)を生成する。ROSによる酸化ストレスは加齢性変性の主要因である。本研究ではin vitroで肩腱板由来細胞に対してAGEs負荷による酸化ストレスを加え、アポシニンの抗酸化作用について検討を行った。 肩腱板断裂患者の棘上筋腱を術中に採取し、肩腱板由来細胞を分離・培養後、以下の4群を設定し、AGEsとアポシニンを投与した。(1)Control群(AGEs、アポシニン非投与)、(2)AGE-apo+群(AGEs非投与、アポシニン投与)、(3)AGE+apo-群(AGEs投与、アポシニン非投与)、(4)AGE+apo+群(AGEs、アポシニン投与)。投与後48時間でreal-time PCRによりNOX-1、NOX-4、IL-6、RAGEの遺伝子発現を評価した。また、細胞蛍光染色でROSとアポトーシスの発現に及ぼす影響を評価し、WST-assayで細胞活性について評価した。 AGE+apo-、AGE+apo+群ではControl、AGE-apo+群と比較し、有意にNOX-1、NOX-4、IL-6、RAGEの発現上昇を認めた。AGE+apo+群ではAGE+apo-群と比較し、NOX-1、NOX-4、IL-6、RAGEの発現は有意に低下し、アポシニンによる抑制効果を認めた。またROS陽性細胞数、アポトーシス発現数もreal-time PCRの結果と同様に、AGE+apo-、AGE+apo+群ではControl、AGE-apo-群と比較して有意に多く、AGE+apo+群ではAGE+apo-群と比較して有意に減少した。細胞活性についてはAGE+apo+群でAGE+apo-群と比較して有意に上昇した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、in vitro実験は予定通りほぼ終了している。 本年度は、in vivo実験を行う予定であり、これもすでに動物実験を少しずつではあるが、開始している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通り、本年度予定しているin vivo実験を行っていく。現在のところ、N=12まで手術は終了しており、あとはN数を増やしていくこと、またそれぞれの組織学的評価や、生物学的評価、力学的評価を行っていく。
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