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2016 年度 実施状況報告書

Undifferentiated pleomorphic sarcoma治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10868
研究機関鹿児島大学

研究代表者

泉 俊彦  鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (70768762)

研究分担者 小宮 節郎  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30178371)
瀬戸口 啓夫  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (40423727)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード未分化多形肉腫 / HDAC阻害剤
研究実績の概要

【背景】未分化多形肉腫(以下UPS)は化学療法抵抗性の軟部悪性腫瘍であり、その治療は外科的切除が原則とされる。今回我々はUPSに対するHDAC阻害剤であるLBH589の抗腫瘍効果及びその作用メカニズムを検討したので報告する。
【方法・結果】4種のUPS細胞株 (GBS-1,TNMY-1,Nara-F,Nara-H) を使用した。4種の細胞株においてclass1HDACs (1, 2, 3, 8) の発現上昇を認めたが、RNA干渉を用いたclass1 HDACsのknockdownでは細胞増殖能に影響を与えなかった。WST assayでは、LBH589は濃度依存性に細胞増殖を抑制した。LBH589処理によりサイクリン依存性キナーゼ阻害因子であるp21、p27の濃度依存性の発現上昇と、細胞周期停止を誘発した。Western blotではLBH589処理によりγH2AX, cleaved-PARP, cleaved caspase3 の増加とBcl-2, Bcl-xLの減少を認めた。LBH589の作用メカニズムの検討ではNF-KB1遺伝子とそのコードするタンパク質であるp50の発現低下を認めた。
【考察】HDAC阻害剤はエピジェネティックに遺伝子発現をコントロールすることで抗腫瘍活性を呈する薬剤であるが、その作用メカニズムに関しては不明な点が多い。今回我々はHDAC阻害剤がNF-κB経路に及ぼす効果について検討した。NF-κBはp50とRelAからなる二量体であり、悪性腫瘍においては過剰発現していることが知られる。HDAC阻害剤とNF-κB経路の関係については諸説あるが、本研究においてはHDAC阻害剤処理によりp50の発現を低下させることがアポトーシス抑制の解除を引き起こし、抗腫瘍活性を呈している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

未分化多形肉腫に対する新規治療法開発に取り組んでいる。HDAC阻害剤が有用であることを発見した。その分子メカ二ズムについても解明が進んでおり、順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

HDAC阻害剤の作用メカニズムについてさらに解析を進める。また動物実験に着手する。さらに他の腫瘍系における作用メカニズムについても解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

計算の誤りにより端数の研究経費が残っていた。

次年度使用額の使用計画

2017年度に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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