研究課題/領域番号 |
16K10871
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
箕田 行秀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90453133)
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研究分担者 |
橋本 祐介 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10382178)
折田 久美 (荻久美) 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40748597)
脇谷 滋之 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (70243243)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | SDF-1 / 半月板 / 再生 / 修復 |
研究実績の概要 |
半月板は血管野部分では修復されるが無血野では修復されないことから、半月板修復には血流が不可欠と言われている。我々は従来から血流に注目し、半月板修復に関わる因子の解明を行っている。一方、様々な組織修復にはSDF-1/CXCR4システムを介した骨髄からの細胞動員(CD34陽性細胞、組織修復型マクロファージ)が確認されてり、半月修復機転においても、マクロファージを含めたSDF-1/CXCR4システムによって制御されている可能性がある。この制御機構を利用することで、これまで修復が困難であった半月板損傷に対して積極的温存治療が可能となる。 今年度は、過去に報告されているfibrin clotの成分分析とラット半月板切除モデルを使用した半月板修復過程におけるSDF-1/CXCR4システムの関与を検索した。Fibrin clotには様々なサイトカインが豊富に存在するといわれており、FGF、EGF,IGF,TGF-b、BMP-2、PDGFなどが挙げられる。PDGFは特に細胞を遊走する働きがあり、SDF-1との関連も報告されている。さらに、骨髄血から得られたfibrin clotには血小板の前駆体である巨核球にはSDF-1が豊富に存在するといわれている。今回の測定によって、骨髄血由来fibrin clotの方が末梢血由来に比べてFGF,SDF-1が多く含まれていることが分かったが、PDGF,TGF- bでは差が認められなかった。ラット半月板切除モデルにおいて、ケナコルト投与したところ、高率に感染や膝脱臼例が出現したために、2.8ug/7μL投与としたところ、安定した半月板非修復モデルを作成することができた。来年度にはこの半月板非修復モデルにSDF-1を付加することによって、修復過程の回復とそのメカニズムを解明する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SDF-1の作用を証明するために、SDF-1を直接投与するモデルと、一度炎症自体を抑制したモデルを作成し、そこにSDF-1を投与し正常再生することを証明するモデルの作成を行ったが、炎症抑制モデルで、高率に感染と脱臼症例が発生したために、投与量のの適正化に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在炎症抑制モデルにて、ほぼ適正な量が確認できたために、このモデルを用いてSDF-1投与回復モデルの確立を来年度に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者である脇谷が退職し、科研分担できなくなったため(脇谷先生返金分)
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