研究課題
自家腱にBMPを投与して培養すると、組織学的に軟骨細胞が誘導され、軟骨分化が進んだ。これは滑膜幹細胞と一緒に培養するかどうかは関係しなかったため、腱に内在する腱細胞がBMP-2の作用により軟骨分化を起こしたと考えられた。また、CPRを行い、SOX9やtype II collagenなどの軟骨分化に関わる遺伝子発現の上昇を認めた。マイクロミニピッグに半月板切除術を行うと、半月板欠損部は滑膜様組織で一部被覆されたが、半月板として十分な機能をもっておらず、軟骨損傷が著明に進行していた。マイクロミニピッグの膝関節を切離してMRI撮影を行うと、半月板欠損部の状態を観察することができ、軟骨の評価も行うことが可能である。軟骨および半月板の状態について、質的評価であるT2マッピングの撮影により、軟骨の状態が質的にも不良であることを観察することができた。また、ピッグ半月板に膝蓋腱の移植を行ったバイオメカニクスの検討では、有意に半月板切除部が被覆されることで、正常に近い荷重分散機能を再獲得できることがわかった。また、半月板切除で通常生じる半月板逸脱に対しても、内方化するCentralization法を行うことで正常に近い半月板機能を獲得できることを万能試験機を用いた生体力学的試験で検証することができた。これらのことにより、半月板は可能な限り温存することが望ましいと考えられた。半月板の内方化を行う生体力学的解析については、膝関節角度を30度、45度、60度、90度と異なる膝角度においても検証を行いその有効性を示すことができた。
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