2018 年度研究成果報告書

自家腱と滑膜幹細胞を用いた半月板再生：マイクロミニピッグによる前臨床試験

研究課題

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研究課題/領域番号	16K10891
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
研究分野	整形外科学
研究機関	東京医科歯科大学
研究代表者	大関信武東京医科歯科大学, 統合研究機構, プロジェクト助教 (10755359)
研究期間 (年度)	2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード	半月板 / バイオメカニクス / 腱 / 軟骨
研究成果の概要	BMP-2を添加した軟骨分化培地で腱を培養すると、滑膜幹細胞の有無に関わらず腱実質の細胞が軟骨様細胞に変化し、軟骨分化に影響する遺伝子発現も上昇した。半月板欠損に伴い生じる半月板逸脱に対して行われる半月板内方化術のバイオメカニクスについてブタ膝を用いて30度、45度、60度、90度の角度で検証し、いずれの場合も半月板逸脱で悪化した荷重分散が改善された。半月板欠損部への腱移植においても、45度および90度で荷重分散機能を再獲得できた。マイクロミニピッグに半月板損傷モデルにおいて、3次元構築するためのMRIの撮像条件を確立し、臨床で有用となる半月板の評価方法を確立することができた。
自由記述の分野	整形外科
研究成果の学術的意義や社会的意義	本邦で有症状者800万人を超える変形性膝関節症の病態における半月板の役割は重要であり、半月板損傷に対する一般的な治療である半月板切除術が行われた場合に生じる半月板欠損部に対する治療はない。本研究において、腱に軟骨細胞を誘導することができ、また移植時の生体力学的検証でも半月板として機能することを証明できたことは、半月板の代用材料として自家腱を用いる実現性を示すことになった。また、臨床ではMRIが非侵襲評価法として用いられるが、3次元画像を構築して半月板の構造を評価する方法を確立できたことは、半月板に対する治療の是非を検証するうえでも意義が大きい。