研究実績の概要 |
人工膝関節全置換術を行った連続的な42例について、術前日にPeterflyらの方法(Peterfly CG et al, Osteoarthritis Cartilage, 2008)に準じてMRIを撮像した。同時に、臨床評価、X線撮影、CTの撮像を行った。MRI上のbone marrow lesion(BML)の評価はWhole-Organ Magnetic Resonance Imaging Score (WORMS)の方法に準じて行い(Peterfly CG et al, Osteoarthritis Cartilage 2004)、大腿骨内側および外側でそれぞれ3か所、脛骨の内側および外側でそれぞれ3か所、さらに脛骨顆間部の13か所について評価を行い、それぞれを0~3の4ポイントでグレーディングを行った。このうち22例については、脛骨の各部位についてサンプルを採取し、マイクロCTでの評価と組織学的評価を行った。 total BML scoreは、膝伸展、膝屈曲角度および可動域と中程度の負の相関を示した。膝伸展筋力とは弱い正の相関を示した。また脛骨顆間部においては、疼痛のスコアと弱い正の相関を示した。X線の評価とはいずれの部位も有意な相関はなかったが、前十字靭帯損傷の有無とは、いずれの部位のBMLスコアも有意な差を認めた。すなわち、前十字靭帯損傷があるほど、BMLスコアは高値であった。 現在、マイクロCTによる評価および組織評価を継続している。
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