研究課題/領域番号 |
16K10905
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大月 孝志 岡山大学, 保健学研究科, 非常勤研究員 (10534802)
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研究分担者 |
古松 毅之 岡山大学, 大学病院, 講師 (20432651)
西田 圭一郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80284058)
廣畑 聡 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90332791)
品岡 玲 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90724500)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マトリックス / micro RNA / エクソソーム / アグリカン / 変形性関節症 |
研究実績の概要 |
関節液を遠心(低速、高速)、酵素処理することにより滑液からエクソソームを精製する方法を検討・確立した。精製した粒子については粒子径分布分析をおこない直径が30-100nmであること、電子顕微鏡観察を行い脂質2重膜構造を持つ球状構造であること、マーカータンパクをウェスタンブロット分析を行いCD63を含有すること、RNA含量測定を行いRNAを含有することを確認した。軟骨細胞培養上清からも同様にエクソソーム回収を行った。既報の情報と比較・検討し精製された粒子がエクソソームであることを確認した。 軟骨細胞の培養上清から回収したエクソソームを用いてまたエクソソームの軟骨細胞への添加試験を行い、必要な培養上清量、添加時間を検討しエクソソーム添加試験系を確立した。サイトカイン処理した培養軟骨細胞の培養上清から回収したエクソソームを軟骨細胞に添加し、マトリックス成分(アグリカン、2型コラーゲン)、マトリックス分解酵素(ADAMTS4、5、9、MMP-13)、ヒアルロン酸分解酵素(KIAA1199)mRNAの発現変化をRT-PCR法を用いて解析した。 ラットOAモデルを用いたエクソソーム解析の結果から滑液量、滑液中のエクソソーム量が共に非常に少なく、現時点の検出感度では解析に供することが困難であると判断した。そこでラットOAモデルの血液を用いて解析を行うことにした。血液由来エクソソームからはRNAを回収した。本試験からエクソソーム含有RNAの概算が出来るようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
軟骨細胞に対しメカニカルストレスを与え、炎症性サイトカインで誘導されるマトリックス分解酵素発現を抑制する可能性のあるmicro RNAを複数同定した。これらmicro RNAのアナログ、阻害剤で軟骨細胞を処理し、タンパクレベルでのプロテオグリカン分解酵素産生抑制、ヒアルロン酸分解酵素産生抑制を確認している。マトリックスのメジャーな成分であるプロテオグリカン、ヒアルロン酸の代謝に関与するmicro RNAを同定していることとなる。 滑液からのエクソソーム回収の方法を確立し、滑液にも他の血液、組織液、細胞、組織と同様なエクソソームが存在することを確認した。 エクソソームを培養細胞に添加する試験系も確立し、エクソソームの細胞、組織への作用を今後は解析することが可能な段階まで進展した。
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今後の研究の推進方策 |
軟骨細胞にメカニカルストレスを与え、炎症性サイトカイン誘導性マトリックス分解酵素発現を抑制する可能性のあるmicro RNAをmicro RNA array解析で複数検出している。実際にマトリックス代謝に関与しているか否かについての解析は一部しか行えていない。タンパクレベルでの抑制機能解析に未着手のmicro RNAに関しては順次行っていく。 培養細胞由来エクソソームの機能解析においては無処理細胞由来とサイトカイン処理細胞由来で差異が現時点では認められていない。これはエクソソーム粒子数、エクソソームタンパク、エクソソームタンパクと軟骨細胞への影響についての解析が不十分出ることがその原因であると考えられる。これらの検討を行い、サイトカイン処理が産生するエクソソームに対する影響を検討する。その後エクソソームを細胞、組織に添加し、産生するマトリックス成分(アグリカン、コラーゲン、ヒアルロン酸)、マトリックス分解酵素(ADAMTS、MMP)の発現をmrNA、タンパクレベルでRT-PCR法、ウェスタンブロット分析、免疫染色法を用いて解析する。 変形性関節症モデルラット血液由来エクソソームよりRNAを回収し、micro RNA array分析を行い変形関節症関連micro RNAを同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者の研究において前年度までに購入した試薬等で実施できたため次年度使用額が生じた。次年度においてはラットOAモデル作製、組織標本作製、PCR、エクソソームの単離、電子顕微鏡観察試料作製、並びにその観察を予定している。
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