研究課題
関節液を遠心(低速、高速)、酵素処理し滑液からのエクソソーム(EVs)を精製法を確立した。精製した粒子については粒子径分布分析をおこない直径が30-200nmであること、電子顕微鏡観察を行い脂質2重膜構造を持つ球状構造であること、マーカータンパクをウェスタンブロット分析を行いCD9を含有すること、RNA含量測定を行いRNAを含有することを確認した。軟骨細胞培養上清からもEVs回収を行った。既報の情報と比較・検討し精製された粒子がEVsであることを確認した。軟骨細胞の培養上清から回収したEVsを用いてまたEVsの軟骨細胞への添加試験を行い、必要な培養上清量、添加時間を検討しEVs添加試験系を確立した。サイトカイン処理した培養軟骨細胞の培養上清から回収したEVsを軟骨細胞に添加し、マトリックス成分(アグリカン、2型コラーゲン)、マトリックス分解酵素(ADAMTS4、5、9、MMP-13)、ヒアルロン酸分解酵素(KIAA1199)mRNAの発現変化をRT-PCR法を用いて解析した。ラット変形性関節症モデルを用いたEVs解析の結果から滑液量、滑液中のEVs量が共に非常に少なく、現時点の検出感度では解析に供することが困難と判断した。そこでラットOAモデルの血液を用いて解析を行うことにした。血液由来EVsからはRNAを回収し、EVs含有RNAの概算が出来るようになった。軟骨細胞に対しメカニカルストレスを与え、炎症性サイトカインで誘導されるマトリックス分解酵素発現を抑制する可能性のあるmicro RNAを複数同定した。これらmicro RNAのアナログ、阻害剤で軟骨細胞を処理し、タンパクレベルでのプロテオグリカン分解酵素産生抑制、ヒアルロン酸分解因子産生抑制を確認している。マトリックスのメジャーな成分であるプロテオグリカン、ヒアルロン酸の代謝に関与するmicro RNAを同定した。
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