研究課題/領域番号 |
16K10909
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山口 昌俊 宮崎大学, 医学部, 講師 (90174630)
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研究分担者 |
マドゥエスタ ハリシャクマール 宮崎大学, 医学部, 助教 (00543951)
宮武 宗利 宮崎大学, 工学部, 助教 (40315354)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 日向夏みかん / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / アラビノガラクタン |
研究実績の概要 |
1) 日向夏の部分ごとの活性成分の検定を、破骨前駆細胞を用いて検討するという課題については、日向夏みかんのアルベド部分が多い傾向があるが、「じょうのう」や「じょうのう膜」にも含まれている可能性が示唆された。アラビノガラクタンという多糖類の性格上、特定の場所にしか存在しないとは考えにくいので、想定された結果が得られたと考えている。 2) 骨芽細胞と破骨細胞の共培養実験の課題に関しては、試行錯誤と試みたものの、培養条件を決定するまでに至っていない。文献の検索や、細胞株の変更も視野に検討している。 3) 作用機序に関して、3T3E1細胞に日向夏みかん抽出物を作用させ、蛋白レベルで効果を確認するという課題に関しては、RUNX2などの発現が確認され、論文化を試みる予定である。 4)今年から、日向夏以外の柑橘類や、カラマツから分離されたアラビノガラクタンに破骨細胞産生抑制作用があるかを検討した。カラマツから分離されたアラビノガラクタンは活性が低く、柑橘類のアラビノガラクタンと側鎖が異なることが想定されるという成果を得た。想定通り、破骨細胞と骨芽細胞のクロストークに関連する、糖鎖のコンセンサスシーケンスが存在するはずであり、最終年度で決定を試みる糸口が見えたのではないかと考えている。 5) 今年度、我々の研究成果を実用化する試みを行った。共同研究を行っている企業から、アラビノガラクタンを添加したジュースの販売にこぎつけることができた点は大きな進歩である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題の中で、共培養実験のみが予定通りに進んでいない。破骨細胞と骨芽細胞のクロストークを検討するための共培養の条件に関して、色々と試行錯誤しているが、結果が安定していない状態が続いている。 一方、それ以外の項目に対しては、年度初めに計画した予定通りに進んでいるので、総合的に、概ね順調に進展していると自己判断した。
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今後の研究の推進方策 |
破骨前駆細胞と骨芽細胞の共培養実験に関しては、色々な試行錯誤しても培養条件の確立に至っていない。今後は、細胞株の変更を考えている。また、もう一度培養条件に関する文献を検索し、検討したいと考えている。 また、共培養にこだわらず、破骨前駆細胞のみ、もしくは、骨芽細胞の細胞株(3T3-E1細胞)を用いた検討も追加することを考えている。これら単独の細胞の培養に関しては、これまでも十分に実験を繰り返しており、問題はない。 それ以外は、うまく進捗しているので、今後も研究を継続したいと考えている。
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