研究課題/領域番号 |
16K10915
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研究機関 | 新見公立大学 |
研究代表者 |
佐々木 順造 新見公立大学, 看護学部, 教授(移行) (30093686)
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研究分担者 |
藤田 洋史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20423288)
岡 剛史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (50160651)
瀧川 朋亨 岡山大学, 大学病院, 助教 (80613166)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 石灰化 / 死細胞 / 血清 / 質量分析 |
研究実績の概要 |
間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に伴い石灰化が誘導される。この分化誘導には高密度培養が要求され、細胞死が誘導されることが明らかである。私たちは、この死細胞の石灰化機構を明らかにする中で、血清タンパク質の中に石灰化因子含まれることを見出した。血清中に含まれる新規石灰化因子探索のため、ヒト間葉系幹細胞を凍結融解して死細胞を作製後、血清存在下非存在下で反応を行った。これらをSDS-PAGEにより分離した結果、血清存在下で死細胞に結合したタンパク質と推測されるバンドが複数検出された。このバンドを切りだし、in gel digestion後、質量分析により同定し、石灰化関連因子の候補分子とした。また、SDS-PAGEは巨大分子や10kDa以下の分子の分離には適さない。これらの分子の中からも候補分子を得るには、SDS-PAGEによる分離ではなく、トリプシン消化後分離すれば解決することを見出した。そこで、石灰化反応後の死細胞を回収し、そのままアクリルアミドゲルに封入した。その後分離をせずにin gel digestionし、LC-MSシステムにより分離・同定をおこなった。以上より複数の石灰化候補分子を同定した。さらに、候補分子が石灰化に関わるかどうかをin vivoで調べるため、CRISPR/Cas systemの実験系を構築した。マウス受精卵を体外受精により取得し、Cas9およびgRNA存在下エレクトロポレーションすることにより、ノックアウトマウスが作製できることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
死細胞に関連した石灰化候補分子の同定を質量分析で行うところまで遂行できた。また、同定分子の機能の同定に有用なゲノム編集法の構築を推進することができ、概ね順調であるとと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
候補分子をさらに充実させるため、2次元電気泳動とTOF-MS質量分析による分離同定を行う。同定された候補タンパク質が本当に石灰化に関与するかどうかを機能解析するために、候補分子の発現ベクターを構築する。発現ベクターを細胞に導入してタンパク質を精製する。精製したタンパク質を、骨芽細胞による石灰化実験系に添加することで、候補タンパク質の機能を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた2次元電気泳動の実験系よりも先にゲノム編集の実験系の確立を優先させたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の計画に入れており、次年度に使用する予定である。
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