研究課題/領域番号 |
16K10934
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大瀧 千代 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (00742248)
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研究分担者 |
小林 洋 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (50424817)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インピーダンス / 穿刺針 / 神経ブロック |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在麻酔科領域で行われている神経ブロックにおいてブロック穿刺針の先端がどこに位置するかを正確に確認する方法を開発することである。一方組織毎に電気的インピーダンス(EI)値は変化するため、EI値を連続的かつリアルタイムに測定しEI値変化の情報を医師に提示するリアルタイムインピーダンス感知神経ブロックシステム(RISBS)を開発し、神経ブロックにおける穿刺針の位置確認を可能にし、今まで不可能であったレベルに正確性を向上させることが本研究の目的である。初年度は豚の肉塊を使用しin vitroにおいて連続的にEI値を測定,組織においてEI値が異なる事の再現実験を行った。その結果より現在臨床で頻繁に使用されている神経ブロックのひとつである腹横筋膜面Transverse abdominis plane(TAP)ブロックを肉塊でシュミレーションする事を行った。この結果から各組織特有のEI値があり、連続的にEI値を測定しながらその変化を感知することにより穿刺針の位置確認が可能であり、穿刺針が神経ブロックのターゲットとする組織に位置した時点で局所麻酔を注入する事により神経ブロックが正確に行えるという事を確認している。現在この結果のデータを蓄積し結果としてまとめる作業に入っている。この研究は動物実験の段階に進め、in vivoにおけるEI値を測定、システムの開発に進める段階となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者らは本研究を進めるあたり豚の肉塊を使用しin vitroにおいて連続的にEI値を測定,組織においてEI値が異なる事を確認した。現在臨床で頻繁に使用されている神経ブロックのひとつである腹横筋膜面Transverse abdominis plane(TAP)ブロックを肉塊でシュミレーションする事を行った。初年度はその再現実験を行うとともにその結果を実際の臨床現場で再現できるかの検証を行うにあたって、連続インピーダンスを測定する医療機器の選別を行った。脳外科で使用している、通常の神経ブロックを行う時に使用する神経刺激装置などを双極針を使用してTAPブロックを行いながらインピーダンスを測定する事を試みたが、測定幅の違いなどにより、実際臨床現場で使用する医療機器では測定困難である事が判明した。この事より今後この原理を実際の臨床で使用する場合は、現在実験で使用しているインピーダンス測定装置を新しくインピーダンス測定のための測定器機を医療用として申請する必要がある事が判明した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、動物実験に重きを置いて、実験用インピーダンス測定装置を使用して各組織に固有の各組織EI値を割り出すことと、動物実験においてリアルタイムEI感知神経ブロックシステムを用いて実際の神経ブロックを行うことを行っていく。同時に今使用している実験用のインピーダンス測定装置を臨床に使用すべく申請を行うか、もしくはさらに実際に使用している医用器機に同じ性能があるものがないか検索を続ける予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該残高では、予定している物品の購入ができなかったため、翌年度に配分があった際、それと合わせて購入しようと予定している。
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次年度使用額の使用計画 |
論文校正や投稿に係る費用に充てる予定である。
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