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2019 年度 実施状況報告書

がん疼痛モデルにおけるオピオイド交差耐性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10937
研究機関島根大学

研究代表者

齊藤 洋司  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50162243)

研究分担者 橋本 龍也  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (00372681)
森 英明  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (40713764)
桐原 由美子  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助手 (90234400)
中谷 俊彦  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90237305)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード交差耐性 / モルヒネ / オキシコドン / レミフェンタニル / オピイオド
研究実績の概要

これまでに、モルヒネを連日投与し耐性形成したSDラットに対し、レミフェンタニルを持続尾静注し、モルヒネとレミフェンタニルの交差耐性について研究を行った。SDラットを2群に分け、モルヒネ群と、対照として生食群とした。モルヒネ群は、1日2回10mg/kgモルヒネを9日間皮下投与し、モルヒネ耐性モデルを作成した。生食群は、生食を同様に9日間皮下投与した。次に、耐性形成したモルヒネ群、生食群にレミフェンタニル10μg/kg/min持続尾静注を120分間行い、モルヒネとレミフェンタニルとの交差耐性を評価した。侵害刺激に対する鎮痛効果の測定は、体性侵害刺激試験にはtail flick (TF) test、内臓侵害刺激にはcolorectal distention (CD) testを行った。その結果、モルヒネ耐性形成したラットでは、体性痛と内臓痛どちらにおいてもレミフェンタニルへの交差耐性が生じており、交差耐性は内臓痛に対してよりも体性痛に対してより強く生じることが示された。
次に、オキシコドンを連日投与し耐性形成したSDラットに対し、レミフェンタニルを持続尾静注し、オキシコドンとレミフェンタニルの交差耐性について研究を行った。SDラットを2群に分け、オキシコドン群と、対照として生食群とした。オキシコドン群は、1日2回1.5mg/kgオキシコドンを6日間皮下投与し、オキシコドン耐性モデルを作成した。生食群は、生食を同様に6日間皮下投与した。次に、耐性形成したオキシコドン群、生食群にレミフェンタニル10μg/kg/min持続尾静注を120分間行い、オキシコドンとレミフェンタニルとの交差耐性を評価した。その結果、オキシコドン耐性形成したラットでは体性痛においてレミフェンタニルへの交差耐性が生じることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに、ラットにおけるモルヒネおよびオキシコドン前処置後のレミフェンタニル交差耐性について、TF test、 CD testを行って明らかにした。
ラットの耐性モデル作成に時間を要したことおよび、研究施設の改修工事があり実験を計画通りに進めることができなかったため、当初の計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

がん疼痛に用いられるモルヒネ、オキシコドン以外のオピオイド、ヒドロモルフォン、フェンタニル、タペンタドールを全身投与して耐性モデルラットを作成し、レミフェンタニルとの交差耐性を解析する。
また、オピオイドの脊髄くも膜下投与によって耐性モデルラットを作成し、脊髄レベルでのレミフェンタニルとの交差耐性について解析する。

次年度使用額が生じた理由

研究施設の改修工事のため、当初の計画よりやや遅れが出てしまい、他のオピオイドを使用した実験および、他の投与方法による実験があまり進まなかった。そのため、今年度の実支出額が予定より少なくなった。来年度は実験動物および鎮痛薬の購入、論文投稿のための費用に使用する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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