研究課題
基盤研究(C)
全身麻酔からの覚醒過程におけるせん妄や不穏などの認知機能障害は、術後回復や予後に影響する可能性があり、発症を抑える有効な方法が望まれる。本研究の目的は、脂肪乳剤が有効な方法となりうるか検討することである。行動実験そして脳波記録から、脂肪乳剤にはセボフルランによる全身麻酔に対して覚醒促進効果があることが分かった。今後、脂肪乳剤の全身麻酔からの認知機能回復促進効果そして機序について検討が必要である。
麻酔科学
本研究の特色は、局所麻酔薬中毒治療ガイドラインにもなった脂肪乳剤によるリッピドレスキューを、全身麻酔薬からの覚醒促進方法として検討することである。現時点での研究結果から、脂肪乳剤にセボフルラン全身麻酔からの覚醒を促進することが分かった。今後、認知機能の回復効果、機序についても明らかにしていく必要がある。このような効果が明らかになれば、脂肪乳剤の投与が、全身麻酔後の覚醒遅延、せん妄、不穏への対処法の1つとして応用できる可能性がある。