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2017 年度 実施状況報告書

嘔吐するモデル動物スンクスのトランスクリプトーム解析によるPONVの機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10951
研究機関東北大学

研究代表者

杉野 繁一  東北大学, 大学病院, 助教 (00423765)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードPONV / 嘔吐中枢 / トランスクリプトーム解析 / スンクス
研究実績の概要

平成28年度のラットの異食実験を基盤に,平成29年度は嘔吐するモデル動物スンクス (Suncus murinus, Her系,メス)を用いて術後悪心嘔吐(PONV)モデルを開発した.イソフルラン麻酔下に下腹部正中切開と縫合を行い,麻酔から覚醒させ,30分間チャンバー内で観察したところ,retchingやvomitingを惹起させることに成功した.対照としてナイーブ群,イソフルラン麻酔のみの偽手術群を設定した.PONVモデルと偽手術群はナイーブ群に比べて嘔吐行動が増加した.さらにわれわれはPONVを起こしたスンクスの嘔吐中枢である脳幹の孤束核から全量RNAを抽出して,次世代DNAシークエンサによるRNA-seqを実施した.各群3つのreplicateとして全量RNAを50ngをインプットした.1サンプルあたり2X100bpリードを40,000,000本シークエンスした.スンクスには参照ゲノムがないので,デノボ・アセンブリを行うことにして,東北大学東北メディカルメガバンクのスーパーコンピュータを用いてTrinityソフトウエアでコンティグを作成した.404,438個のコンティグが作成できた.N50は1,085であった(N20は3038,N80は296であった).現在,TrionateソフトウエアでPONV発症時に発現変化する遺伝子の群間差を検討しているところである.またスンクスのゲノムのドラフト配列を国内の研究者から譲渡する予定である.本研究の現在までのデータは平成30年秋の北米神経科学会(カルフォルニア州サンディエゴ市)で発表し,学会参加者からの批評を受け議論する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

東北大学医学部動物実験施設や東北大学メディカル・メガバンク機構の研究協力により,予想以上のデータを獲得できた.

今後の研究の推進方策

平成30年度は最終年度であるためプロジェクトを完遂させたい.PONVにより発現が高度に変化する複数の遺伝子についてスンクス別個体で,RT-qPCRや免疫染色,Westernブロッティングで確認したうえで,RNAiによるノックダウンでPONVが抑制されるか行動実験で検証したい.そのうえで英文の学術誌に論文投稿を行いたい.

次年度使用額が生じた理由

(理由)予想していたよりスンクスの使用数が少なかった.(使用計画)主にスンクスの購入や分子生物実験に使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] ペンシルバニア州立大学/薬理学講座/生化学・分子生物学講座(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ペンシルバニア州立大学/薬理学講座/生化学・分子生物学講座

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-21  

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