研究課題/領域番号 |
16K10970
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
石井 真紀 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (50457959)
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研究分担者 |
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
板谷 慶一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70458777)
沼田 智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80735689)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | vector flow mapping / コンピュータシミュレーション / 4D MRI / エネルギー損失 / 運動エネルギー / エネルギー効率 |
研究実績の概要 |
Vector Flow Mapping (VFM)を用いた左室内エネルギー損失値の成人における基準値は決められていなかったが、50人の健常人で軽胸壁心エコーを行い、エネルギー損失値、運動エネルギー値、そして心臓のエネルギー効率を表すEnergetic Performance Indexという新しい係数の基準値を策定した (Vector flow mapping analysis of left ventricular energetic performance in healthy adult volunteer. BMC Cardiovasc Disord, 17, pp21, 2017)。僧帽弁形成術と置換術の比較を術中経食道心エコーを用いて血流の向きとエネルギー損失値をVFMで実測計測し、僧帽弁置換術では血流の向きが逆転しエネルギー損失が増加することを示した (Flow-dynamics assessment of mitral-valve surgery by intraoperative vector flow mapping. Interact CardioVasc and Thorac Surg. doi:10.1093/icvts/ivx033, 2017)。Alfieri stitchという僧帽弁前尖と後尖の中央を縫合する手技を行った症例で、VFM解析を行い血流とエネルギー損失値を計測し、Alfieri stitchを行うと血流が逆転し、エネルギー損失が増加することを示した (Vector Flow Mapping and Impaired Left Ventricular Flow by Alfieri Stitch. Journal of Cardiothorac and Vasc Anesth. 31, pp211-214, 2017)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンピューターシミュレーション (CFD)と心臓MRIによる血流解析に関しては論文発刊、学会発表には至っていないが、研究継続中であり、vector flow mappingに関しては、基準値策定や、僧帽弁手術での実測エネルギー損失値測定などで英文論文4本発刊に至っている。それ故、現状としては超音波診断装置での研究をメインに行って来たが、今後はCFDやMRIによる研究にも力を入れていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
超音波診断装置を用いての研究に関しては、今まではHitachi社製のvector flow mappingを使用してきたが、我々は独自にvector flow mappingの解析技術を開発し、他社製の超音波診断装置でも行うことが可能になった。それ故、さらに画像の質を改良したvector flow mappingを行うことが可能になる。今後はvector flow mappingを用いて周術期での診断、治療の介入を行っていく予定である。さらにCFD、MRIにおいては心臓内の評価だけでなく、大血管内の血流やエネルギー損失さらにはWall Shear Stressを測定することで、成人心疾患、小児先天性心疾患の評価を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
経食道心エコーのプローブを購入する必要がなくなったため、その分支出が大幅に減ったが、コンピュータシミュレーション用のコンピュータが予定より高かったので、この残高となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はVector flow mappingをGE社製の超音波診断装置で行う必要があるので、この残高と翌年度分と合わせて、GE社の超音波画像管理・解析ソフトウェアEchoPACを購入する予定である。
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