研究実績の概要 |
本研究「慢性痛(脳機能障害性)の中枢メカニズムをMRIで解明する研究」の最終年度として、「MRI(magnetic resonance imaging)を用い、器質的原因の不明な慢性痛(Central dysfunctional pain: 脳機能障害性痛)の脳内メカニズムと神経変性を、脳科学的に明らかにする」という「計画目的」を果たすべく、研究期間成果を国際学会と学術論文として、公表と発表を行った。「自然科学機構生理学研究所との研究「触覚の癒し効果における社会的神経基盤に関する研究」と同時進行で、Data 解析と結果公表を行った(荻野、他「機能が変わると構造も変わる - 痛みと脳可塑性」2018 日本運動器疼痛学会誌; Kawamichi et al., 2018, Social Neurocience)。 研究成果の社会的意義と重要性として、研究結果をすぐに臨床にもフィードバックすることができ、患者からの結果要請にも積極的に応えていき、これまで「心因性」と説明しても納得することがなかった患者さんに、“脳機能障害性痛”という新しい痛みの要素と病態メカニズムを説明でききるようになった。その臨床的意義は引き続き継続し、ペインクリニック臨床と痛み診療において、疾患の概念を最新のものとし、「認知性疼痛」として新たな痛みのメカニズム提唱へと繋がってきている。 同時並行していた神経変性疾患の機序解明に役立つ脳生理学研究(健常者アスリート研究)に関しても、横断的な解析を行いながら、解析結果を国際学会に発表した [Enhanced functional connectivity correlated with weight-loss at pre-match period in professional boxers. Neuroscience 2018(第48回 北米神経科学学会)]。
|