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2016 年度 実施状況報告書

脾臓由来M1型及びM2型単球系細胞を介した神経障害性疼痛発症のメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10984
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

柴崎 雅志  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20405319)

研究分担者 天谷 文昌  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60347466)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード神経障害性疼痛 / マイクログリア / M1型単球系細胞 / M2型単球系細胞 / 脾臓
研究実績の概要

神経障害性疼痛は神経系の直接損傷や炎症、感染などにより神経系に生じる複雑な病態を有する。また一次知覚神経細胞や免疫担当細胞、グリア細胞などが関与するため、その発症メカニズムは複雑で、有効な治療法が未だ確立されていない。この難治性疼痛である神経障害性疼痛のメカニズム解明は新たな治療法の開発に繋がるため、これまで様々な動物モデルが作成され、研究されてきた。
神経障害性疼痛モデルであるSpared Nerve Injuryモデルでは神経損傷部位に一致した脊髄領域にマイクログリアが集積し、痛覚過敏発症に関与していると考えられている。またマイクログリアを含めた単球系細胞は炎症性サイトカインを産生・分泌するM1型と抗炎症性サイトカインを産生・分泌するM2型があり、それぞれの病変部位への集積時期とその役割が異なっていることが明らかになってきた。さらに脊髄損傷モデルにおいて、脾臓摘出することで病変部位への単球系細胞の集積が抑制されること、M2型単球系細胞が創傷治癒に重要な役割を果たすことが報告されている。しかしながら神経障害性疼痛モデルにおいて脾臓由来の単球系細胞の役割や痛覚過敏発症への関与については不明である。
本研究では末梢神経損傷により脊髄に集積する単球系細胞の種類や集積時期、病変部位への集積を惹起する物質を調査することで、M1型、M2型のそれぞれを標的とした神経障害性疼痛の新たな治療法開発を目的としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

神経障害性疼痛モデルにSpared Nerve Injuryモデルを用いており、また脾臓摘出術を加えた群を作成するため、モデル作成手技の安定化に時間を要した。
また免疫組織染色においても同様に、凍結切片作成の手技の安定化に時間を要した。

今後の研究の推進方策

動物モデルや免疫組織染色の実験手技が安定したため、速やかに脊髄における免疫組織学的検討を行い、M1型およびM2型単球系細胞の脊髄における経時的変化を調査おこなう。また神経障害性疼痛モデルにおける脊髄の傷害部位(L4-L6)で発現量変化を起こした物質をウエスタンブロッティング法やELISA法、サイトカイン・ケモカインアレイなどの方法を用いて検索する。
さらに、行動解析法により神経障害性疼痛モデル単独群と脾臓摘出術を加えた群で痛覚閾値についての調査をおこなう。

次年度使用額が生じた理由

動物モデル作成や免疫組織染色の手技安定化に時間を要し、研究計画がやや遅れているため。

次年度使用額の使用計画

本年度は神経障害性疼痛モデルにおけるM1型およびM2型単球系細胞に対する標的物質を検索するため、神経障害性疼痛モデルを作成し、脊髄傷害部位(L4-L6)より発現量変化のある物質をウエスタンブロッティング法やELISA法、サイトカイン・ケモカインアレイ等を用い、その経時的変化を調査することに前年度の繰越金を使用したい。

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公開日: 2018-01-16  

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