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2016 年度 実施状況報告書

前立腺癌に対するX線及び重粒子治療におけるスタチン併用効果の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K10995
研究機関群馬大学

研究代表者

関根 芳岳  群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00516370)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード前立腺癌 / スタチン / DNA修復
研究実績の概要

我々はシンバスタチン投与後のPC-3細胞におけるmRNAの遺伝子変化の結果についてパスウェイ解析を行ったところ「Role of BRCA1 in DNA Damage Response」がピックアップされ、この経路は放射線障害をDNAが受けた際にDNA修復(相同組換え)に働く遺伝子群であったため、スタチン投与による遺伝子変化が、放射線感受性へ影響の検討を開始した。まず、前立腺癌細胞株におけるスタチン投与後のBRCA1関連遺伝子群の発現変化の解析を行った。前立腺癌細胞株(PC-3, DU145, LNCaP, androgen free条件で長時間培養して獲得したandrogen independentなLNCaP株、22RV1))へスタチンを投与し、BRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCD2, RFC3, RFC4, RFC5, MRE11A, FANCA, FANCGなどのDNA修復/相同組換えと関連した遺伝子の発現変化を、定量的PCRによって、発現変化を見たところ、発現が低下したも遺伝子;PC-3;BRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCD2, RFC3, RFC4, RFC5, FANCA, FANCG、androgen independentなLNCaP;BRCA2、RAD51、BARD1、RFC3、RFC5、DU145;FANCA、22RV1;BRCA1、FANCD2、RFC3、MRE11A、FANCA、FANCG、LNCaP;なし、であった。一方、前立腺間質細胞においては、スタチン投与によりBRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCD2, RFC3, RFC4, RFC5, MRE11A, FANCA, FANCGすべての発現が上昇し、前立腺癌細胞株とは異なる遺伝子変化が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

評価する遺伝子及び細胞株が多く、実験に時間がかかっている。近々、ウェスタンブロッティングを開始予定である。

今後の研究の推進方策

昨年度の研究で、mRNAだけでなく、蛋白もストックできているため、ウェスタンブロッティングは早々に開始できるものと考えている。また、PARP阻害剤に関しては、予備実験を開始しており、下記予定に比較的スムーズに以降できるものと考えている。
・上記遺伝子の発現変化を認める濃度のスタチンを投与した前立腺癌細胞株へ、X線及び重粒子を照射し,スタチンとの併用効果について、MTS assay、clonogenic assay、フローサイトメトリーによるcell cycle analysis、senescence-associated β-galactosidase stainingなどにより、併用効果について検討する。
・PARP阻害剤の更なる併用による、スタチンとX線及び重粒子治療効果への影響
上記実験で効果を得た場合、さらにPARP阻害剤を併用する事で、更なる治療効果の有無を、同様の実験を行って検討する。

次年度使用額が生じた理由

実験がやや遅れており、ウェスタンブロッティング用の試薬の購入も、それに合わせて遅れてしまったため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

ウェスタンブロッティング用の試薬購入を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。

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公開日: 2018-01-16  

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