研究実績の概要 |
我々はシンバスタチン投与後のPC-3細胞におけるmRNAの遺伝子変化の結果についてパスウェイ解析を行ったところ「Role of BRCA1 in DNA Damage Response」がピックアップされ、この経路は放射線障害をDNAが受けた際にDNA修復(相同組換え)に働く遺伝子群であったため、スタチン投与による遺伝子変化が、放射線感受性へ影響の検討を開始した。まず、前立腺癌細胞株におけるスタチン投与後のBRCA1関連遺伝子群の発現変化の解析を行った。前立腺癌細胞株(PC-3, DU145, LNCaP, androgen free条件で長時間培養して獲得したandrogen independentなLNCaP株、22RV1))へスタチンを投与し、BRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCD2, RFC3, RFC4, RFC5, MRE11A, FANCA, FANCGなどのDNA修復/相同組換えと関連した遺伝子の発現変化を、定量的PCRによって、発現変化を見たところ、発現が低下したも遺伝子;PC-3;BRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCD2, RFC3, RFC4, RFC5, FANCA, FANCG、androgen independentなLNCaP;BRCA2、RAD51、BARD1、RFC3、RFC5、DU145;FANCA、22RV1;BRCA1、FANCD2、RFC3、MRE11A、FANCA、FANCG、LNCaP;なし、であった。一方、前立腺間質細胞においては、スタチン投与によりBRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCD2, RFC3, RFC4, RFC5, MRE11A, FANCA, FANCGすべての発現が上昇し、前立腺癌細胞株とは異なる遺伝子変化が認められた。
|