研究実績の概要 |
昨年度の研究で認めた、前立腺癌細胞株(PC-3, LNCaP-LA;androgen free条件で長時間培養して獲得したandrogen independentなLNCaP株, 22RV-1)へスタチンを投与した後の、BRCA1、BRCA2、RAD51, BARD1, FANCAなどのDNA修復/相同組換えと関連した遺伝子のmRNA発現変化を、ウェスタンブロットにより、タンパクレベルでも確認したところ、BRCA1の発現低下(LNCaP-LA, 22RV-1)、RAD51の発現低下(PC-3, LNCaP-LA)、FANCAの発現低下(PC-3,22RV-1)、BRAD1の発現低下(PC-3,LNCaP-LA)を認めた。BRCA2に関しては、いくつか抗体を試してみたが、うまくタンパクを検出することが困難であった。次に、前立腺癌細胞株へ、X線を照射し、スタチンとの併用効果について、細胞増殖に関してはcell countを行ったところ、LNCaP-LAと22RV-1では、スタチンとX線を併用することで、さらなる細胞増殖抑制効果を認めたが、PC-3では、スタチン投与のみでかなり増殖抑制効果が強く出ることから、現在、併用条件について、検討中である。また、PARP阻害剤の併用に関しては、まずは、スタチンとの併用のみで効果を確認したが、PC-3、LNCaP-LA、22RV-1において、スタチンとPARP阻害剤であるOlaparibの併用により、MTSアッセイおよびcell countにおいて、さらなる増殖抑制効果を認めた。
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