研究課題/領域番号 |
16K11004
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植木 英雄 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (90537218)
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研究分担者 |
那須 保友 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20237572)
渡邉 豊彦 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30432644)
定平 卓也 岡山大学, 大学病院, 医員 (20733322)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 腫瘍 / 細胞検出 |
研究実績の概要 |
当該システムがテロメラーゼ活性依存的に転写することを利用して、癌細胞株の中で、テロメラーゼ活性の強さの異なる細胞を分取し、その特徴を比較解析することとした。 まず、どのような遺伝子に発現の差が見られるかを調査し、テロメラーゼ活性との相関を解析した。前立腺癌細胞(LNCap, PC3)にAd-TSTA-GFPプラスミドを導入し、蛍光活性化セルソーター(FACS)で、GFP発現の強いものと弱いものをそれぞれ回収した。アポトーシス、細胞増殖、癌転移などに関連する遺伝子であるPhospo-Akt, Phospho-PDK1, c-mycの抗体を用い、ウエスタンブロットを行った。それぞれの細胞でGFP陽性(テロメラーゼ活性が高い)とGFP陰性(テロメラーゼ活性が低い)の群を比較したが、調査した中には、有意な差がある遺伝子はないことが確認された。 次に、得られた細胞群において、核内受容体(エストロゲン受容体、糖質コルチコイド受容体)がホルモンと結合し、転写を調節するしくみを観察して、それぞれの細胞群間の特性を比較することとした。ルシフェラーゼレポーターアッセイを利用した核内移行を検出する方法で、核内受容体が、一定のホルモン濃度の時にどれだけ核内に移行するかを細胞群間で比較したが、細胞群間で差は見られなかった。 同じ細胞株の中では、テロメラーゼ活性の強さが異なっていても、発現に差がある遺伝子は見られなかったので、来年度は、Ad-TSTA-LuciferaseおよびhTERT-SGE-Luciferaseを使って、様々な癌種の細胞株のテロメラーゼ活性の強さを調べ、CD147等の癌増悪因子の発現の強さと比較し、これらの関係を調査することにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に従っておおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、テロメラーゼ活性の強さと癌関連遺伝子の発現の強さの関係を調査する。また、様々な癌種の細胞株で癌増悪因子の発現の強さをウエスタンブロットなどを用いて解析し、テロメラーゼ活性の強さとの相関をみる。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に準備した細胞やプラスミドを使用する実験を多く行ったことにより、本年度新たに作成や購入する物品が少なくなったため。また、H29年度に予定していた実験が遅れたため。 H29、H30年度に予定していた実験に加えて、追加の実験で新たに必要となる試薬の購入に充てる。
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