研究課題/領域番号 |
16K11011
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
志田 洋平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40641337)
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研究分担者 |
計屋 知彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00716574)
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アンドロゲン受容体(AR) / full-length AR / AR-V7 / adenovirus E4 プロモーター / in vitro 転写 / エンザルタミド / ビカルタミド / PC-3 |
研究実績の概要 |
いくつかの新規アンドロゲン応答遺伝子のplasmid DNAを用いてクロマチンテンプレートを作成し、Full-length ARとARスプライシングバリアント(AR-V7)で転写活性に違いがあるかどうかを、独自に作製したin vitro転写実験で確認したが、違いは認められなかった。 そこで、Full-length AR、AR-V7による遺伝子転写を再現するin vitro転写実験系を新たに作製した。adenovirus E4 (AdE4) プロモーターの上流にPSAのandrogen responsive element (ARE)を5つ連結させたplasmid AREを作製し、このplasmidとHelaコアヒストン、クロマチン形成因子(S190)を用いてクロマチンテンプレートを作製した。in vitro転写は、このクロマチンテンプレートに各ARリコンビナントタンパクとジヒドロテストステロン(DHT)を加えて転写反応させ、転写されたmRNA量の変化をqPCRで定量した。Full-length ARによる転写はDHTによって強く活性化された。既知のLBDを欠くにもかかわらず、AR-V7による転写もDHTによって強く活性化された。これらの活性化はともにDHT濃度依存性であった。また、抗アンドロゲン剤であるビカルタミド、クロルマジノン、エンザルタミドを加えて転写反応を調べたところ、ビカルタミドはFull-length AR、AR-V7による転写活性を有意に抑制した。一方、新規抗アンドロゲン剤エンザルタミドはAR-V7による転写活性を強く抑制したが、Full-length ARによる転写活性を抑制する効果は弱かった。そのメカニズムを調べるため、AR negativeな前立腺癌細胞株であるPC-3にFull-length AR、AR-V7を発現させて実験を行ったが、メカニズムの特定には至らなかった。
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