腎癌におけるマクロファージ関連分子に注目した抗癌剤耐性メカニズムの解明

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 16K11013
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 元島 崇信 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60726355)
• 研究分担者: 河野 吉昭 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (30593793) [辞退] ; 菰原 義弘 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (40449921)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: TIMD4 / 腎細胞癌

研究実績の概要

腎細胞癌は泌尿器系悪性腫瘍の中でも、最も頻度の高い腫瘍である。近年、新しい分子標的剤の登場とともに臨床予後は改善傾向にあるものの、再発症例や進行癌症例に対する治療効果は限局的である。これまで我々は、腎細胞癌の組織内のマクロファージの浸潤数が多い症例ほど予後が悪いことを明らかにしてきた。一連の研究の中で、マクロファージにおいて重要な役割を果たしているTIMD4が腎細胞癌にも発現しており、更に予後不良と密接に関与していることを見いだした。TIMD4はマクロファージにおいて死細胞の貪食や抗原提示に関わる重要な分子であるが、腎細胞癌における役割に関する報告は無い。本研究では、腎細胞癌におけるTIMD4の役割を解明するとともに、その阻害抗体の開発にも取り組み新たな標的分子となり得るかどうかを検討したい。
本年度は、細胞株７８６－O、MAMIYA細胞を用いて、shRNA技術を用いてTIMD4の発現を低下させ、増殖実験や抗癌剤耐性実験を行った。その結果、TIMD4がソラフェニブの感受性に関与していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね計画通りに研究を遂行している。
一部のデータは学会発表を行い、論文投稿準備中である。

今後の研究の推進方策

予定通り進んでおり、今後も細胞株を用いた研究を継続していく。

次年度使用額が生じた理由

細胞培養に使用する試薬に若干の余裕が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度の細胞培養経費に使用する予定である。

研究成果

• [雑誌論文] PD-L1 expression in papillary renal cell carcinoma (2017)
  • 著者名/発表者名: Takanobu Motoshima, Yoshihiro KomoharaEmail author, Chaoya Ma, Arni Kusuma Dewi, Hirotsugu Noguchi, Sohsuke Yamada, Toshiyuki Nakayama, Shohei Kitada, Yoshiaki Kawano, Wataru Takahashi, Masaaki Sugimoto, Motohiro Takeya, Naohiro Fujimoto, Yoshinao Oda and Masatoshi Eto
  • 雑誌名: BMC Urology 巻: 17 ページ: 8
  • DOI: 10.1186/s12894-016-0195-x
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] PD-L1/B7-H1 expression in papillary renal cell carcinoma (2017)
  • 著者名/発表者名: Takanobu Motoshima, Yoshihiro KomoharaEmail author, Chaoya Ma, Arni Kusuma Dewi, Hirotsugu Noguchi, Sohsuke Yamada, Toshiyuki Nakayama, Shohei Kitada, Yoshiaki Kawano, Wataru Takahashi, Masaaki Sugimoto, Motohiro Takeya, Naohiro Fujimoto, Yoshinao Oda and Masatoshi Eto
  • 学会等名: Advanced in Urology 2017
  • 発表場所: San Diego
  • 年月日: 2017-01-12 – 2017-01-12
• [学会発表] 乳頭状腎細胞癌におけるPD-L1 発現についての検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 元島崇信、菰原義弘、野口紘嗣、山田壮亮、北田昇平、中山敏幸、竹屋元裕、江藤正俊
  • 学会等名: 第68回西日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 下関
  • 年月日: 2016-11-25 – 2016-11-25
• [学会発表] PD-L1 and PD-L2 expression in papillary renal cell carcinoma (2016)
  • 著者名/発表者名: Takanobu Motoshima, Yoshihiro KomoharaEmail author, Chaoya Ma, Arni Kusuma Dewi, Hirotsugu Noguchi, Sohsuke Yamada, Toshiyuki Nakayama, Shohei Kitada, Yoshiaki Kawano, Wataru Takahashi, Masaaki Sugimoto, Motohiro Takeya, Naohiro Fujimoto, Yoshinao Oda and Masatoshi Eto
  • 学会等名: 第2回日本泌尿器腫瘍学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-10-22 – 2016-10-22
• [学会発表] PD-L1 and PD-L2 expression in papillary renal cell carcinoma (2016)
  • 著者名/発表者名: Takanobu Motoshima, Yoshihiro KomoharaEmail author, Chaoya Ma, Arni Kusuma Dewi, Hirotsugu Noguchi, Sohsuke Yamada, Toshiyuki Nakayama, Shohei Kitada, Yoshiaki Kawano, Wataru Takahashi, Masaaki Sugimoto, Motohiro Takeya, Naohiro Fujimoto, Yoshinao Oda and Masatoshi Eto
  • 学会等名: 第75回日本癌学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-10-07 – 2016-10-07
• [学会発表] 乳頭状腎細胞癌におけるPD-L1発現についての検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 元島崇信、菰原義弘、野口紘嗣、山田壮亮、北田昇平、中山敏幸、竹屋元裕、江藤正俊
  • 学会等名: 第104回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2016-04-21 – 2016-04-21