研究課題/領域番号 |
16K11013
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
元島 崇信 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60726355)
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研究分担者 |
河野 吉昭 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (30593793) [辞退]
菰原 義弘 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (40449921)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | TIMD4 / 腎細胞癌 / 免疫療法 |
研究実績の概要 |
TIMD4(T cell immunoglobulin- and mucin domain-containing molecule-4)はマクロファージがアポトーシス細胞を取り込むために重要な役割を有する受容体であり、アポトーシス細胞表面のホスファチジルセリンを認識する(Miyanishi M, Nagata S, et al. Nature 2007)。マクロファージだけでなく樹状細胞にも(つまり抗原提示細胞全般に)発現しており、免疫系への関わりも指摘されている。腎癌でも、以前からインターフェロン療法やインターロイキン療法のような免疫療法が優れた治療効果をしめしており、腎癌の発生、進展への免疫の関与が指摘されている。ヒト腎細胞癌組織におけるTIMD4の発現解析をパラフィン切片を使用した免疫染色の系を立ち上げた。80症例の腎細胞癌患者の切除癌検体を用いて免疫染色を行ったところ、マクロファージと思われる間質細胞にも陽性所見を認めたが、驚いたことに一部の症例では癌細胞にも強い陽性所見を認めた。そこで、癌細胞にTIMD4が発現している症例群と発現していない症例群に分けて、生存率の解析を行ったところ、TIMD4強陽性群で有意に生存率が低いことが明らかとなった。次に、Progression free survinvalとの関連を単変量解析、多変量解析で行った所、核異型度、Tステージとの相関関係を認めたが、TIMD4の発現も有意な関連因子として認められた。また、癌特異的生存との関連を単変量解析、多変量解析で行った所、核異型度とともにTIMD4の発現が有意な因子と認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画道りに研究を遂行している。一部のデータは学会発表を行い、論文投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、腎癌細胞株から樹立したTIMD4強制発現細胞株を用いてin vitroでの解析を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、臨床データの解析に重点を置いた為、繰越が生じた。 次年度は、動物実験を含めたin vitroでの解析を中心に行う予定でり、繰越金は全て使用する予定である。
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