研究課題/領域番号 |
16K11018
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
石橋 啓 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90347211)
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研究分担者 |
柳田 知彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20363765)
羽賀 宣博 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50586617)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80295419)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 腎癌 / PD-L1 |
研究実績の概要 |
腎癌細胞786-O、ACHNを用いてPD-L1及びTRAIL受容体発現の条件を検討した。まず786-O株に対して分子標的薬Sunitinib、IFN-α、IFN-γ、IL-2、mTOR阻害剤によるPD-L1、PD-L2のmRNA発現をreal time PCRにて定量解析した。786-O株においては、Sunitinib、IFNα刺激後48時間で、PD-L1、PD-L2を含めた遺伝子発現の2~3倍の発現強化を認めた。一方、ACHN株においてはIFNα刺激後4時間で、PD-L1遺伝子発現のup-regulationを認めた。IFNγでのPD-L1,PD-L2発現は24時間以降に特に強く認められた。 同様にWestern Blotにて、PD-L1の蛋白発現およびSTATシグナルの発現を解析した。Sの結果786-O株においてACHN 株において、IFNγ刺激後72時間で、PD-L1の強い発現を認めた。また、IFNγによってSTAT1が強くリン酸化していた。ACHN株においても同様の結果であった。STAT3とPD-L1発現の相関は認められなかった。 また、フローサイトメトリーを用いた解析では786-O 株ではINF-γ刺激後72時間でPD-L1、 PD-L2双方の強い発現を認めたが、ACHN株ではPD-L2発現は認めなかった。 腎癌細胞の株間で、薬剤刺激に反応するPD-L1、L2の発現には差が認められると考えられた。 一方、TRAIL受容体発現に関しては、昨年と同様にSOCS3発現とTRAIL受容体との関連を解析した。SOCS3強制発現プラスミドを作成し、腎癌細胞ACHNにトランスフェクションし、TRAIL受容体発現を解析したところ、その発現が抑制され、また、SOCS3抗体を用いた免疫沈降でTRAIL受容体が検出される事から、SOCS3がTRAIL受容体の発現をコントロール分子であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではPD-L1及びTRAIL受容体発現機構を解析する。前年度はTRAIL受容体を中心に解析した。本年度はPD-L1発現の解析を行った。最終的には動物実験に移行したい。
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今後の研究の推進方策 |
TRAILによる治療実験のためのmapatumumabの入手を試みるも、現在入手が困難な状態。In vitroの実験では、遺伝子組み換え型のTRAILを用いていたが、今後はファンクショナルグレードの抗体を使用して進めていく予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:一般的な消耗品が購入出来ない端数が余った。 使用計画:消耗品、オリゴDNA、プライマーなどの購入
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