研究分担者 |
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40326153)
河合 憲康 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20254279)
内木 拓 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50551272)
鈴木 貞夫 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20226509)
細野 晃弘 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (00723454)
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研究実績の概要 |
研究課題「インスリン抵抗性に着目した前立腺がん発症メカニズムの解明と予防法の開発」については、「岡崎研究」ベースライン登録(登録者数7,587名:男性4,176名、女性3,411名)から5年経過した健診受診者を対象とした追跡調査を実施した。ベースライン登録した男性3,909名を以下の除外基準を用いて選択した。がん現病者・既往者(303名)、糖尿病治療中または空腹時血糖値140mg/dLを超える者(426名)、PSA未測定またはPSA10ng/mLを超える者(807名)、欠損値(7名)。最終的に2,366名を解析した。平成25年3月から平成28年10月に行った2次調査から60名(2.5%)の前立腺がん患者の新規発症が確認された。本研究では、インスリン抵抗性の指標として、高HOMA-IR(2.5以上)と、高インスリン血症(15.0μU/mL以上)を採用した。本年度は、生活習慣とインスリン抵抗性との関連を新たに解析した。生活習慣は、喫煙歴(吸う・止めた・吸わない)、飲酒歴(飲む・止めた・飲まない)、1日あたりの歩行時間(2時間以上・未満)、座位時間(7時間以上・未満)、睡眠時間(7時間以上・未満)に分けて検討した。高HOMA-IR・高インスリン血症と睡眠時間には関連を認めなかった。一方、高HOMA-IR・高インスリン血症のない対象者において喫煙者や飲酒者が多い傾向を認めた。1日あたりの歩行時間、座位時間とインスリン抵抗との間には明らかな関連を認めなかった。高インスリン血症・高HOMA-IRの前立腺がん発症に対するオッズ比の検討では、生活習慣を補正項目に加えた多変量解析の結果においても、前立腺がん発症とインスリン抵抗性との間には有意な関連を認めなかった。
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